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橋本病では血液中に自己抗体があっても機能低下が無ければ治療は不要です

橋本病と診断されても特に治療の必要がない場合があります。

どんな状態であれば治療をしなくてもよいのか、経過観察中にはどんなことに気をつける必要があるのか詳しく見ていきます。

 

症状がなければ治療不要だが半年〜1年に1度は受診

血液検査で自己抗体(TgAb、TPOAb)が見つかれば、橋本病と診断されます。ただし、甲状腺ホルモンの状態が正常で、機能が低下してぃなければ、自覚症状もなく、体にも影響はありません。
このような場合は、特に治療の必要はありませんが、定期的に医師を受診し、経過を観察していく必要があります。

 

経過観察中の注意点

半年〜1年に1度は医師を受診し、血液検査を受けます。甲状腺ホルモンの血中濃度を調べ、甲状腺機能に変化がないかチェックします。

 

ヨウ素を多く含む食品(海藻類など)は、過剰に摂取しないようにします。

 

妊娠によってホルモン濃度が変動することはよくあります。経過観察中の女性は、妊娠がわかったら、定期的な検査の時期ではなくてもすぐに医師を受診し、甲状腺機能検査を受けましょう。
※ごく軽度の甲状腺機能低下症でも、胎児の発育に影響が出る場合があります。

 

首のはれが急に大きくなったり、圧迫感が強くなった場合も、必ず医師を受診しましょう。異常が起こっている可能性があります。

 

甲状腺機能低下症の可能性。機能低下症によってTSHが高くなると、はれが大きくなります。

 

悪性リンパ腫の可能性。非常にまれですが、年齢の高い人は注意が必要です(発病のピークは60〜70歳)。悪性リンパ腫は、甲状腺に入り込んだリンパ球から発生してくる腫瘍で、橋本病は発病のリスクになります。

 

 

潜在性の患者さんは対処を検討します

潜在性甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの値は基準値の範囲内にあっても、TSHの値だけは基準値よりも高い状態にある場合です。

 

このような状態は、一般的にはヨウ素の過剰摂取によって生じている場合もあるので、海藻類やヨウ素を含むうがい薬(イソジンガーグルなど)といったものを控える「ヨウ素制限」をします。

 

これを実行した上で、3カ月後に、再度、甲状腺ホルモン検査を行います。ヨウ素制限をしても甲状腺の機能が回復せず、TSHの値が10μU/mlを超える場合は、甲状腺ホルモン剤の治療をはじめます。また、TSHが5〜10μU/」mlの範囲であれば、対処を検討します。

 

具体的には、機能低下症は、将来、脂質異常症(血液中のコレステロール値や中性脂肪値が上昇する)を悪化させ、動脈硬化を引き起こしたり心疾患のリスクを高めますので、薬による治療をはじめる時期を、患者さんの状態を見ながら判断します。

 

はれが大きな場合の薬の服用

機能低下がなくても、首のはれ(甲状腺腫)が大きいと、違和感を感じたり、見た目が気になることがあります。このような場合は、甲状腺ホルモン剤を服用して、はれが小さくなるかどうか様子を見ます。目立った効果が出ない場合は、半年をめどに治療をやめます。

 

 

気をつけたい橋本病の『急性増悪』

のどが急にはれて痛んだり発熱、発汗、動悸なども

橋本病は「慢性甲状腺炎」ともいい甲状腺に慢性の炎症が起こる病気です。しかし、橋本病の炎症には、ふつうの炎症に見られるような発熱や強い痛みはないため、病気があることに気がつかないままに過ごしている人も少なくありません。

 

実は、橋本病の患者さんの半数以上は甲状腺の機能が正常で、明らかな機能低下症は4分の1程度であるといわれています。

 

基本的には橋本病は良性の病気なのですが、しかし、ときに重症の症状があらわれる場合があります。それが、橋本病の「急性増悪」です。

 

典型的なケースでは、はじめカゼのような症状があったあと、急に甲状腺腫が大きくなって痛み、高熱や発汗などの全身症状が起こります。甲状腺ホルモンが一時的に血中にもれ出し、動悸や息切れ、頻脈などの甲状腺機能亢進症の症状が出ることもあります。

 

亜急性甲状腺炎と似た症状ですが、亜急性甲状腺炎は甲状腺に異常があるわけではなく、甲状腺がウイルスに感染して起こるものなので、特に治療をしないでも自然に治ることが多く、あとは残りません。

 

橋本病の急性増悪は治療がむずかしい

しかし、橋本病の急性増悪の場合は、症状がおさまるまでに数カ月かかり、おさまったあとも、橋本病そのものは残ります。

 

また、亜急性甲状腺炎では、痛みが激しい場合は副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)を使えばよくなりますが、橋本病の急性増悪の場合は、副腎皮質ホルモンで治療してもなかなか治らないことが多く、場合によっては、1〜2年も副腎皮質ホルモンが中止できないケースもあります。

 

また、薬を中止すると症状が再発することがあり、それをくり返す場合は、手術で治療することもあります。

 

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