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心電図の波形の異常から心臓のどこで何が起きているかをとらえます

心臓の電気刺激の伝わり方が波形で表されます

心電図検査の結果は波形で示されていますが、では、この波形から一体何かわかるのでしょう。

 

心臓の拍動は、右心房の上部にある洞結節で電気刺激が発せられることに始まります。その電気刺激が心臓内にめぐらされた刺激伝導系を伝わり、心房、心室の順番で収縮させることで拍動が起こっています。

 

心電図検査では、電気刺激の発生から心房・心室への伝導、心臓の収縮・拡張という拍動の過程を、心臓内を伝わる微弱電流を体の表面につけた電極で感知し、波形で示しています。

 

心電図の波形は左から右へ移動し、電極に電気刺激が近づくと上向きに、遠のくときは下向きに描かれます。基本的には、P、Q、R、S、T、Uの波形の繰り返しで表されます。

 

これらの波形のどこが、どう変化しているかによって、心臓のどこに、どんな異常が起こっているのかを知ることができます。

 

健診結果に心電図所見があったが、指示がなければ放っておいてよい?

定期健診などの心電図検査で所見があると、不安になる人も多いでしょう。しかし、健康な人でも不整脈が出ることはよくあります。精密検査を勧められていないのであれば、特に心配はいりません。

 

ただ、健診結果にほかの問題が出てくれば、状況は違ってきます。検査を指示されたら、「前からあった所見だから」とあなどらず、必ず受けてください。

 

 

心電図所見が意味していることは?

健康診断などの心電図所見を見て、見慣れない言葉にとまどったことのある人も多いのではありませんか。

 

心電図所見に記されるのは、拍動のリズムが速くなったり遅くなったり乱れたりする「調律異常」、刺激伝導系に生じた「伝導異常」、心電図波形の各部の異常などです。精密検査の必要性は心電図以外の検査結果によっても異なります。

 

調律異常

洞性徐脈

洞結節からの電気刺激が1分間に50回未満になり、脈が遅くなった状態。多くは、特に治療の必要はない。

 

洞性頻脈

洞結節からの電気刺激が1分間に100回以上に増加して、脈が速くなった状態。ほとんどは心配ない。

 

洞性不整脈

洞調律が乱れて、心臓の拍動のリズムが変動しているもの。主に呼吸に伴う変動で、特に治療の必要はない。

 

洞停止・洞房ブロック

洞結節からの電気刺激の発生が一時的に止まったり、心房に伝わらない。専門医を受診する必要がある。

 

上室期外収縮

心房や房室結節で早いタイミングで電気的興奮が発生し、早期収縮が起こる。健康な人にもよくみられる。

 

心室期外収縮

心室で早いタイミングで電気的興奮が発生し、早期収縮が起こる。多くは心配いらないが、心臓病があることも。

 

心房細動

心房全体から電気的興奮が1分間に400〜500回もバラバラに発生し、脈が不規則になる。症状の有無にかかわらず、精密検査と治療が必須。

 

心房粗動

心房で1分間に300回程度の興奮が生じ、頻脈が起こるもの。心不全や脳梗塞の原因になる。精密検査が必要。

 

WPW症候群

生まれつき副伝導路(正常な刺激伝導系以外の伝導路)をもっているため、心室へ興奮が早く伝わり、発作的に頻脈になることがある。動悸やめまいなどがあれば受診が必要。

 

 

伝導異常

房室ブロック

心房から心室への電気刺激の伝わりが遅れたり、途絶えたりする。程度によって危険度が異なる。

 

右脚ブロック

洞結節からの電気刺激を心室に伝える右脚が断裂したもの。右脚だけなら特に心配はいらない。

 

左脚ブロック

左脚が断裂して、電気刺激が左心室へ伝わらない。多くは心臓病が関係しているため、精密検査が必要。

 

 

QRS波の異常

低電位

心室の電気的興奮が体表に伝わりにくい状態。肥満やむくみのほか、肺や心臓の病気も原因になる。精密検査が必要。

 

右軸偏位、左軸偏位、不定軸

電気的興奮の伝わリ方が偏っている。右軸偏位は右心系に、左軸偏位は左心系に負担がかかる。ほかの病気がなければ、特に心配はいらない。

 

左室肥大

左心室の筋肉が異常に厚くなった状態。肥大が進むと息切れのほか、狭心症、突然死につながる不整脈が起こる危険が高く、精密検査が必要。

 

右室肥大

右心室の筋肉が異常に厚くなった状態。心臓疾患や肺疾患の原因となる。精密検査が必要。

 

 

ST−T波の異常

ST低下、陰性T波

狭心症による心筋虚血や、左室肥大などが疑われるため、精密検査が必要。

 

QT間隔延長

心室の電気的興奮からの回復が遅い。失神や突然死につながる心室頻拍を起こしやすいため、精密検査が必要。

 

ST上昇(早期再分極)

心室の一部分の電気的興奮がほかより早く回復する。ほかの所見や症状がなければ、心配する必要はない。

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