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バセドウ病の診察では問診や触診を基本にさまざまな検査結果から総合的に診断します

バセドウ病は、かつては発見しにくい病気でしたが、現在は、検査方法や検査機器の発達で見つけやすくなっています。基本は問診や触診ですが、その上で、血液検査や超音波検査などで、わずかな異常も見逃さず、正確に調べていきます。

 

症状をチェックし触診ではれを調べます

症状は、病気を知るための重要なサインです。診察では下記の症状症状をチェックします。また、触診では、医師は首のはれから多くの情報を得ることができます。全体的に大きくはれていて、さわると弾力があり拍動を感じる、という場合は、バセドウ病を疑う目安になります。

診察でチェックするバセドウ病の症状
  • 首のはれ
  • 眼球突出
  • 胸がドキドキする(動悸)
  • 脈が速い(頻脈)
  • 不眠
  • 疲れやすい
  • 汗をよくかく
  • 微熱がある
  •   が渇く
  • 毛が抜ける
  • むくみがある
  • かゆみがある
  • 皮膚に色素が沈着
  • イライラする
  • 手足がふるえる
  • 筋力の低下
  • 食欲の増加、あるいは低下
  • 下痢
  • 月経の不順
  • 血圧の上昇
  • 血糖値の上昇
  • 骨量の低下
  • コレステロール値の低下

 

甲状腺ホルモンの濃度を調べる血液検査

バセドウ病は、甲状腺ホルモンを必要以上につくってしまう病気です。そこで、血液中の甲状腺ホルモンの濃度を調べます。バセドウ病では、T4(サイロキシン)とT3(トリョードサイロニン)の2種のホルモンがふえますが、甲状腺機能の状態を見るためには、結合たんぱくと離れて働く遊離型の(フリーの)T4とT3の数値が重要です。

 

 

フリーT4の正常値は、およそ0.80〜1.60ng/md(ナノグラム/デシリットル)です。フリーT3の正常値は、フリーT4よりさらに微量で、およそ2.20〜4.30pg/ml(ピコグラム/ミリリットル)です。

 

フリーT3は、甲状腺ホルモンの中でも中心的な役割をする重要なホルモンですが、あまりにも微量なため、以前は測定することが困難でした。それが、技術の進歩で測定することができるようになりましたが、微量ゆえに測定値があいまいに出ることがあります。そこで、フリーT4の数値もあわせてみて、総合的に判断します。

 

フリーT4もフリーT3も、基準値より高ければ甲状腺機能亢進症と考えられます。ただし、甲状腺機能亢進症だからといって、バセドウ病とは限りません。そこで、次に述べる甲状腺刺激ホルモン(TSH)を
調べます。

 

 

甲状腺刺激ホルモンを調べる血液検査

甲状腺ホルモンは、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって、一定の量が保たれるように調節されています。

 

しかし、バセドウ病になって、血液中のフリーT4やフリーT3がふえると、逆にTSHの量は減ります。そこで、TSHの数値が低下しているかどうかを調べる血液検査(TSH検査)を行います。

 

TSH検査での正常値は0.2〜4.5μU/mlマイクロユニット/ミリリットル)ですが、バセドウ病で甲状腺ホルモンが過剰になると、測定できないほど低下し、0.1μU/ml以下にまでなります。

 

TSH検査のすぐれているところは、甲状腺ホルモン(フリーT4、フリーT3)よりもはるかに鋭敏に甲状腺ホルモンの量を反映することです。つまり、TSHだけを調べれば、(フリーT4やフリーT3をはからなくても)病気があるかどうかをチェックできるのです。

 

最近は、一部の人間ドックや健診センターでTSH検査を健康診断の一項目として加えるようになっています。なお、TSH検査は、治療がはじまってからも、治療効果や経過を観察するために重要な検査です。

 

 

TSH受容体抗体を調べる血液検査

甲状腺の細胞膜には、血液にのって運ばれてきたTSHを受け止めて結合するTSH受容体があります。

 

バセドウ病は、このTSH受容体に対する自己抗体(TSH受容体抗体・TRAb)ができて、TSHにかわって甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンを過剰につくらせてしまう病気です。TRAbは、いわばバセドウ病の原因物質といえます。

 

そこで、血液中にTRAbがあるかどうかを検査します。陽性の場合は、バセドウ病と診断できます。

 

TRAbの検査は、同じ甲状腺機能亢進症の無痛性甲状腺炎とバセドウ病とを判別する場合にも有効です。無痛性甲状腺炎では、TRAbはまれにしか出ません。

 

また、妊娠中の人には、放射性ヨウ素検査ができないので、TRAbの検査が重要です。治療の経過を観察したり、治療後の再発をチェックする場合も、TRAbの検査が大切になってきます。

 

 

甲状腺の血流を調べる超音波(エコー)検査

超音波(エコー)検査は、すべての甲状腺疾患に不可欠な検査です。画像検査の機器の進化はめざましく、非常に高い解像度で甲状腺全体や、甲状腺内の血管の分布、血液の流れ、微小な腫瘍まで映し出すことができます。

 

バセドウ病の検査では、甲状腺の大きさや血流を見ます。画像から甲状腺の大きさを計測して、そこから何グラムかを計算し、正常な場合とくらべてはれているかどうかを判断します。

 

また、血流の状態は、病気の種類によって特徴がありますので、鑑別の材料になります。たとえばバセドウ病では、甲状腺全体の血流量が多くなりますが、無痛性甲状腺炎では血流が見られないため、診断の参考にできます。

 

 

甲状腺の機能を調べる放射性ヨウ素検査

バセドウ病かどうかは、甲状腺ホルモン (フリーT4、フリーT3)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、TSH受容体抗体(TRAb)を調べることで、10人中9人は診断できます。しかし、血液検査をしてもTRAbが見つからない人がいます。

 

このような場合は、放射性ヨウ素検査を行います。これで残りの1人も、ほぼ診断できるようになります。主にバセドウ病と無痛性甲状腺炎を鑑別するために行われます。

 

検査法

甲状腺ホルモンはヨウ素を材料につくられるため、ヨウ素を取り込む性質があります。そこで、ヨウ素と同じ性質を持つ放射性ヨウ素のカプセルを飲み、甲状腺に取り込まれた放射能を測定して摂取率を見ます。

 

バセドウ病の場合は、甲状腺ホルモンをたくさんつくるため、ヨウ素も大量に取り込まれます。一方、無痛性甲状腺炎では、下垂体からのTSHの分泌が抑えられていて甲状腺ホルモンをあまりっくらないため、ヨウ素もほとんど取り込まれません。

 

また、シンチグラム写真をとって、ヨウ素の摂取状態を画像化して見ることもできます。バセドウ病では摂取量が高いため、甲状腺は真っ黒に映ります。

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