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不整脈の診断には実際に起こっている状態を捕まえることが重要です

不整脈の診断には心電図検査が欠かせません

心臓は洞結節という部位から発せられる電気刺激によって拍動するしくみになっています(参照記事:不整脈を知る前に心臓の働きを知りましょう)。

 

心電図検査では拍動時に心臓の中を伝わる微弱な電流を、体の表面に装着した電極で感知して記録します。

 

その記録は、波形としてみることができ、その波の形や間隔などから電気刺激の伝わり方の異常がわかります。不整脈の診断には、実際に起こっている不整脈を心電図でとらえることが欠かせません。

 

さらに、心電図では心筋の状態をみることもでき、不整脈の原因となる心臓病の発見にも役立ちます。

 

 

 

動悸が気になって受診しても、心電図検査のときに起こらないと、診断がつかない?

外来で心電図検査を受けたのに、そのときは不整脈が起こらず、心電図で記録できなかったというのはよくあることです。

 

症状があるなら、「ホルダー心電図」や「イベント心電図」などの別の心電図検査が診断に役立ちます。普通に生活しながら受けられるので、医師に相談してみるとよいでしょう。

 

 

外来でまず行われる安静時心電図検査

心電図検査には、目的によって大きく4つのタイプがあります。

 

外来で最初に行われるのは、横になって心電図を記録する「安静時心電図検査」です。ただ、心電図検査では、検査中に不整脈が現れなければ波形をとらえることができません。そのため、この検査だけでは診断ができないことがよくあります。その場合は、別の方式による心電図検査を行います。

 

 

24時間連続して記録するホルダー心電図

外来で受ける安静時心電図検査は検査時間が短く、そのときに不整脈が現れなければ記録することができないので、一過性や発作性の不整脈はタイミングを逃すと、とらえることは難しいものです。

 

こういうケースで活躍するのが、24時間連続して心電図を記録できる「ホルダー心電図」です。携帯型の心電計を装着して、ふだんどおりの生活をしながら24時間の心電図をとるというものです。こうして記録した心電図をコンピュータで解析し、不整脈が起こった部分を検出して、その部分を医師がチェックすることで不整脈の診断に用いられます。

 

 

24時間連続して記録することで、不整脈がどの時間帯に起こりやすいかや、どんな行動が発作を誘発するかなどの把握にも役立ちます。

 

ホルダー心電図をつけている間は生活行動を詳しく記録します

ホルダー心電図は、24時間分の記録をすべて調べるのではなく、不整脈の発生時だけを抜き出します。そのとき何をしていたのかがわからないと、生活動作との因果関係を知ることができません。

 

そこで、ホルダー心電図をつけている間は、何時頃、何をしていたか、患者さんに記録をつけてもらいます。また、自覚症状があったときにボタンを押すしくみになっていますが、この場合も何をしているとき、どんな症状があったのか、できるだけ詳しく記録しておくと診断に役立ちます。

 

 

発作を誘発してとらえる運動負荷心電図

走ったり、階段を上ったりするなど運動をすると、体は多くの血液が必要になります。そのため心拍数が増えるのですが、すると、心臓での電気刺激の異常が起こって、不整脈が現れる人がいます。

 

その場合、安静時心電図や、普通の生活をしながらの24時間心電図では、不整脈をとらえられません。そこで、検査室で運動をして心臓に負荷をかけ、不整脈を誘発して心電図を記録するのが「運動負荷心電図検査」です。労作性狭心症が疑われたり、運動時に不整脈の発作が起こる人などに行われます。負荷のかけ方によって、数種類あります。

 

 

発作時の心電図をとるイベント心電計

たまにしか起こらない不整脈は、ホルダー心電図検査でも発作をなかなかとらえることができません。この場合は、「イベント心電計」という携帯用の小型心電計を使い、数日〜数週間にわたって心電図をとる方法もあります。

 

イベント心電計には「ループ型イベント心電計」と「携帯型イベント心電計」の2種類があります。常に心電計を体に装着しておいたり、携帯したりして、症状が現れたときの心電図を記録できるようになっています。

 

検査期間の終了後、記録を医療機関に渡すと、それを解析したのち、医師が診断します。また、記録は電話やインターネットを使ってデータ送信することもできます。

 

イベント心電計の機器は、医療機関から貸し出されるほか、最近は一般家庭向けに市販されているものもあります。

 

 

原因不明の失神を調べる植込み型心電計

不整脈かどうか、原因がはっきりしない失神が起こっている場合は「植込み型心電計」が有効です。

 

植込み型心電計は、小さなスティック状の心電計を植込んで記録をとる器具です。手術で胸を2pほど切開して皮下に植込みます。

 

この心電計は、心拍リズムに乱れがあると自動的に検知して心電図を記録するほか、動悸などの症状があったときや失神後などに、携帯型専用リモコンを使って自分で記録することも可能です。

 

これによって失神前・中・後の心電図が記録できるため、危険な失神の鑑別診断に役立ちます。

 

 

突然死のリスクを予知するLP、TWA

突然死のリスクを予知し、回避するための心電図検査の指標として、LPとTWAの2つが用いられています。

 

LP(遅延電位)は心室遅延電位ともいい、伝導系の異常を反映して現れます。これがあると、持続性心室頻拍や突然死のリスクが高いといえます。

 

TWA(T波交互脈)は心電図に、形の異なるT波が1拍ごとに交互に出現するものです。これがあると心室細動や突然死のリスクが高いと予測されます。

 

いずれもホルダー心電図の記録から解析して、情報を得ることも可能です。これらにより危険が指摘された場合は、早急に対策をとる必要があります。

 

 

 

 

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