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甲状腺はのど仏の下にあって健康な時は外からはわかりません

甲状腺は見たりさわったりして得られる情報があります

甲状腺には、胃や心臓などほかの臓器にはない特徴があります。体の表面に近いところにあるため、異常が起こると、外から見たりふれることで情報を得ることができます。

 

一つは「はれ」です。いままでなかった首のはれを自分で見つけたり、ほかの人から指摘されて、それが受診のきっかけになることがあります。

 

また、甲状腺は、通常は平たくやわらかで、筋肉におおわれているため、首の皮膚を外からさわってもわからないのですが、病気になってかたくなると、手で「しこり」がわかるようになります。

 

このような「はれ」や「しこり」は、医師を受診し、触診によって見きわめてもらう必要がありますが、正しい位置や形を知ることは、病気に早く気づくためにも大切なことです。

 

 

甲状腺は、のどぼとけ(甲状軟骨)の下あたりに、気管(空気が通る呼吸器官)を前面から側面にかけて取り囲むようにはりついています。女性は首の中央部、男性はそれよりやや下に位置しています。

 

蝶が羽を広げたような形をしており、主に、右の右葉、左の左葉、中間の峡部で構成されています。

 

正常なときは親指2本を並べたほどの大きさ。右葉と左葉はそれぞれ縦が4〜4.5mm、横幅1.5mm、厚さ1mm。全体の重さは15〜20gです。

 

また、甲状腺の裏側には、小さな米粒ほどの副甲状腺が、左右上下に1個ずつ、計4個あります。

 

甲状腺はすべての細胞、臓器に作用するホルモンをつくります

ホルモンとは、人間が健やかに生きていくために欠かせない情報伝達物質です。細胞と細胞の間で情報をやりとりしながら、体温・栄養・生殖などさまざまな機能を調節しています。約100もの種類がありますが、主なものを次ページにあげてみます。

 

このホルモンをつくり、体内の必要とする部分へ届けるシステムが「内分泌」で、甲状腺はもっとも大きな内分泌器官です。

 

甲状腺はそれだけ重要な内分泌器官で、ここでつくられる甲状腺ホルモンから、私たちは、生涯にわたって影響を受けます。

 

甲状腺ホルモンの役割は、まだ生まれる前の胎児のころからはじまります。細胞の分化を促し、さらに生まれたあとの成長期には、脳や神経を発達させ、骨の成長を促します。

 

また、糖分、たんぱく質、脂肪などの栄養素を分解して生きるために必要なエネルギーをつくり出し、体温を適切に保ちます(新陳代謝)。

 

さらに、脳、心臓、肝臓などから骨や筋肉、精神・神経系に至るまで、甲状腺ホルモンは全身の臓器や細胞に作用します。甲状腺ホルモンは、私たちが元気に過ごすための、いわば「源」ともいえるホルモンなのです。

 

細胞の分化とは?

お母さんのおなかにいる一つの受精卵は、分裂をくり返して数をふやします。やがて「分化」によって、皮膚、骨、筋肉、血液など、さまざまな役割に見あう機能を身につけていきます。この分化を促進するのが甲状腺ホルモンです。

 

 

甲状腺のホルモン分泌は脳でコントロールします

甲状腺ホルモンが体内でつくられて分泌されるしくみの全体像が明確になったのは、20世紀も後半になってからです。これによって甲状腺の病気のメカニズムが明らかになり、その後、治療法の開発が進みました。

 

甲状腺のホルモン分泌の流れは、治療について理解する上で重要な情報ですので、ぜひ理解してください。

 

原料は食品に含まれるヨウ素

甲状腺ホルモンは体内でつくられますが、原料になるのは海藻類などに含まれる栄養素・ヨウ素です。ヨウ素は主に腸で吸収され、その後血液に入って全身をまわり、やがて甲状腺にたどりつきます。

 

ホルモンの製造と貯蔵

甲状腺細胞(濾胞細胞)に取り込まれたヨウ素は、どんどん濃縮され、さらにたんぱく質と結合して「甲状腺ホルモン様のもの」(まだホルモンと呼べるものではないもの)になります。このホルモン様のものは、甲状腺濾胞腔(濾胞内の貯蔵庫)に蓄えられます。

 

濾胞細胞は、必要に応じて濾胞腔からホルモン様のものを取り込み、甲状腺ホルモンに加工して血液中に分泌します。

 

2種類の甲状腺ホルモン

血液中に分泌される甲状腺ホルモンは、T4(サイロキシン)とT3(トリヨードサイロニン)の2種類です。
ただし、分泌の中心はT4で、T3は血液中の甲状腺ホルモン全体の2%程度です。T3は甲状腺細胞でつくられますが、80%は目的の臓器の中でT4からヨウ素元素が1個はずれてT3となるのです。

 

T3は、目的の臓器の細胞にある甲状腺ホルモン受容体と結びつく力がT4より強く、甲状腺ホルモンとしての活性も強いのですが、役割を終えて血中から除去されるのも速いという特徴があります。パワーはあるものの、寿命は短いのです。

 

一方、T4は、飽食状態でエネルギーが多くあるときは活発にT3へと変化しますが、飢餓状態のときは変化分を減らして省エネをする、といった融通性があります。T4は、T3の前段階のホルモンで、甲状腺
ホルモンを安定して供給するための調整役といえます。

 

分泌を調節する2つの司令塔

血液中のホルモン濃度は、脳にある2つの司令塔がコントロールしています。中心となるのが下垂体です。ここにはセンサーがあり、血液中のホルモン量を感知して、甲状腺へ指令を出します。

 

指令を伝えるのは甲状腺刺激ホルモン(TSH)です。血液中の甲状腺ホルモンが少なくなると、TSHの量がふえ、甲状腺にもっとホルモンをつくるよう促します。逆に甲状腺ホルモンが多くなると、TSHの
量は抑えられ、それにともなってホルモンの分泌量も減ってきます。

 

 

もう一つの司令塔は、下垂体の上層部にある視床下部です。ここにも甲状腺ホルモンの量を感知する機能があり、下垂体へTSHの分泌を促す甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を分泌します。
TRHも間接的ながら、甲状腺ホルモンの合成・分泌にかかわっているわけです。

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