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カテーテルアブレーションは頻脈性不整脈を根本から治すカテーテル治療です

異常な電気的興奮の発生源や伝導経路を電流で焼き切ります

「カテーテルアブレーション」とは頻脈性不整脈に対する治療法のひとつです。頻脈性不整脈では、異常か電気的興奮の発生(異常自動能)や電気的興奮が回り続けること(リエントリー)が原因で頻脈が起こっています。

 

そこで、カテーテルという管を用いて、異常な電気的興奮の発生源やリエントリーの伝導経路がある心筋の部位を高周波電流で焼き切ることによって治療するというものです。

 

この治療が成功すると、不整脈が起こらなくなります。しかも、胸を切開する手術でないので、患者さんの負担も軽く、繰り返し行うこともできます。

 

現在、カテーテルアブレーションは発作性上室頻拍や心房粗動、心室頻拍、心房細動などの多くの頻脈性不整脈の治療で行われています。治療効果も高く、発作性上室頻拍や心房粗動では95%以上の確率で根治が期待できます。

 

心室頻拍の場合は、原因となる心臓病のない特発性では根治串が高いのですが、原因がある場合はその病気によってかなり違います。

 

心房細動は技術的に難しい点があるため、以前は根治するのは半数程度でしたが、近年、治療成績もよくなってきています。

 

また、以前は治療部位が心筋の外側だと焼灼が困難でしたが、最近は電流を出す装置の先端から生理食塩水を流して冷却するカテーテルを使うことで、心筋の内側から外側まで治療できるようになっています。

 

75歳以上の高齢者にカテーテルアブレーションは勧められません

 

カテーアルアブレーションは、手術に比べ、患者さんの体への負担は軽い治療法ですが、それでも高齢者には慎重に考えます。

 

高齢になると、カテーテルを通す血管がもろくなっていたり、心筋の障害やほかの病気をもっていたりするケースが多くなるので、合併症を起こすリスクが高くなります。個人差はありますが、おおむね75歳以上の高齢者にはあまり勧められません。

 

 

治療はカテーテルを使って局所麻酔で行われます

カテーテルアブレーションは、カテーテルという細い管を用いて行います。治療は、局所麻酔のうえ、主に太ももの付け根の静脈などからカテーテルを挿入し、心臓まで進めます。治療部位は、別のカテーテルを使って「電気生理学的検査」を行って確定し、そこに高周波電流を流して焼き切ります。

 

 

その後、再度、電気生理学的検査を行って治療が必要な部位がほかにないか確認し、必要なら追加でその部分も焼灼して治療を終えます。

 

通常、痛みはありませんが、心房細動の治療では治療部位によっては痛みが起こることがあるため、その場合は鎮痛薬を使います。

 

治療に要する時間は、発作性上室頻拍や心房粗動では1〜2時間程度、入院期間は約3日です。心房細動では2〜4時間かかり、入院期間も3〜5日ほどが平均的です。

 

1回の治療で根治できなかった場合、3回程度なら繰り返し受けることができます。特に、心房細動は1回では根治が難しく、2〜3回繰り返すことが多いといえます。

 

 

カテーテルアブレーションの合併症のリスクは不整脈のタイプによって異なります

カテーテルアブレーションによる合併症としては、カテーテルが血管や心筋を傷つけて、大出血を引きおこしたり、心臓を包む膜と心臓の間に血液がたまる「心タンポナーデを招くことがあります。また、焼灼する際に本来の刺激伝導系が障害されて、房室ブロックが生じることがあります。焼灼による温度上昇によって血栓ができ、それが脳血管に詰まって脳梗塞を起こしたする危険性もあります。

 

 

ただ、実際のところ、発作性上室頻拍や心房粗動に関しては、重大な合併症はほとんどありません。

 

一方、心房細動は焼灼する部分が広く、左心房に原因があることが多いため、まれですが重大な合併症が起こることもあります。

 

 

適するタイプでは、今や治療の第一選択にもなっています

カテーテルアブレーションの治療対象は、近年、徐々に広がってきています。なかでも、発作性上室頻拍(WPW症候群による房室回帰性頻拍、房室結節回帰性頻拍)や特発性心室頻拍、心房粗動などでは有効率が高く、根治も可能です。そのため、これらの不整脈では治療の第一選択になりつつあります。

 

 

最近では、心房細動に行われることも増えていますが、前出のタイプの不整脈に比べ、やや治療が難しい点があります。カテーテルアブレーションを受けたいときは主治医とよく相談し、治療経験の豊富な医療機関で受けることが望ましいでしょう。

 

カテーテルアブレーションのQ&A

薬をのんでも期外収縮の症状がおさまりません。カテーテル治療は有効ですか?

期外収縮は一般に放置しても心配のない不整脈ですが、それが引き金になって「頻拍」が起こる場合や、自覚症状が強い場合には治療が行われます。

 

一般に薬物療法が行われますが、症状が強い場合は、まれにカテーテルアブレーションを行って、期外収縮を起こしている異常な電気的興奮の発生源を焼灼するケースもあります。ただ、危険のない不整脈に対して、まれとはいえ合併症のリスクを伴う治療は、慎重に検討するべきでしょう。薬を替えるとうまくいく可能性もありますし、睡眠不足や疲労、ストレスの解消も症状の軽減に有効です。

 

治療を受ければ、薬はいらなくなる?

カテーテルアプレーションによる治療で根治できる不整脈もあり、その場合は薬をのまなくてもよくなります。しかし、治療後も薬の服用が必要なケースもあります。

 

ただ、根治はできなかった場合でも、薬が効きやすくなり、発作が起こりにくくなることがあります。カテーテルアブレーションだけで根治しなかったら、治療を受けた意味がないというものでもありません。

 

不整脈がなくなれば、通院も不要?

発作性上室頻拍や心房粗動、特発性心室頻拍などでは、カテーテルアブレーションによる治療後、根治とみなされ、再発の可能性も低いと考えられる場合は、定期的な通院の必要はありません。

 

ただし、ほかのタイプの不整脈では、根治が確認できるまでに時間がかかることもあります。その間は、定期的に通院して医師の診察や心電図検査を受けます。再発がないことが確認されたうえで、薬を服用している場合は徐々に減らすか、中止するかを決定します。そうなれば、定期的な通院は不要になります。

 

心房細動か再発したが、何度も治療を受けて大丈夫?

心房細動は、ほかの不整脈に比べてカテーテルアブレーションを行つても1回では根治できないこともしばしばあります。ただ、この治療は繰り返し行えるのがメリットです。

 

心房細動の患者さんでは2〜3回行って根治することもあります。あまり高齢になると受けられなくなることもありますが、75歳未満であればたいていは大丈夫です。

 

心房細動でカテーテル治療が適さない場合とは?

左心房内に血栓がある人や抗凝固療法が行えない人は、カテーテルアブレーションを行えません。左心房内に血栓があると、カテーテルで操作をしたときに血栓が流れ出して脳や肺などの重要な血管に詰まるおそれがあり、血栓予防には抗凝固薬が重要だからです。

 

ほかに、心房細動か慢性化した永続性心房細動や、左心房が拡大しているケースでは、行ってもあまリ効果がありません。

 

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