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不整脈の治療の実際

不整脈の治療には薬物治療が中心となる「心房細動」をはじめ、カテーテルアブレーションの有効性が高い「発作性上室頻拍心房粗動」、危険度に応じた選択が重要な「心室不整脈」、ペースメーカーによる治療が中心の「徐脈性不整脈」など、主なタイプの治療は下記のように行われます。

 

1.心房細動の治療(クリックで詳細)
2.発作性上室頻拍・心房粗動の治療(クリックで詳細)
3.心室不整脈の治療(クリックで詳細)
4.徐脈性不整脈の治療(クリックで詳細)

 

発作性上室頻拍・心房粗動の治療

カテーテル治療を行えるかどうかが治療選択のポイントです

発作性上室頻拍と心房粗動は、どちらもカテーテルアブレーションによる治療効果が高く、ほぼ根治が期待できます。そのため、カテーテル治療が適応となるケースでは、治療の第一選択になっています。

 

カテーテルアブレーションの適応については、発作性上室頻拍では1か月に1回以上発作が起こる人は検討したほうがよいといえます。

 

発作性上室頻拍は、心房や洞結節、房室結節などの上室と呼ばれる部分に興奮旋回路があり、電気的興奮がグルグルと旋回するのが原因です。そこで、この旋回路をカテーテルアブレーションによって焼き切って、電気的興奮が伝わらないようにします。

 

 

心房粗動には、右心房の三尖弁周辺に電気的興奮が旋回するリエントリーが起こる「通常型」と、それ以外の「非通常型」があります。

 

非通常型はカテーテルアブレーションが難しいのですが、ほとんどは通常型で、三尖弁周辺のリエントリーが起こる部位を、カテーテルアブレーションで焼き切ると、ほぼ根治が望めます。特に、症状が強く、失神や心不全を伴う人や、日常生活に支障がある、薬の効きが悪いという場合には、カテーテルアブレーションが勧められます。

 

 

カテーテル治療を行わない場合は薬で発作を抑えます。

高齢者や、ほかに重い病気があるなどで、カテーテルアブレーションを行えない場合は、薬物治療を行うことになります。

 

発作性上室頻拍では、発作の予防にカルシウム拮抗薬、β遮断薬、ナトリウムチャネル遮断薬などの抗不整脈薬が用いられます。

 

心房粗動には抗不整脈薬がなかなか効きにくい傾向がありますが、カリウムチャネル遮断薬などが用いられます。心房粗動か続くと血栓が生じることがあるため、血栓塞栓症のリスクが高い人は、抗凝固薬の使用も検討します。

 

発作が起きたときにすぐ止めるには

発作性上室頻拍で急に激しい動悸がしたときなど、「迷走神経刺激法」により、自分で発作を止められることがあります。安全で、簡単に行えるのは「バルサルバ法」です。大きく息を吸った後、10秒ほど息を止めます。また、冷水に顔をつける方法も効果的です。

 

医療機関で受ける処置には、ATPやナトリウムチャネル遮断薬の静脈注射があります。

 

 

WPW症候群で心房細動か起こることも

WPW症候群は、正常な電気的興奮の伝導路以外に、ケント束と呼ばれる副伝導路がある病気で、しばしば発作性上室頻拍を起こします。

 

さらに、副伝導路が電気的興奮を伝えやすいタイプの場合は、心房細動を合併することがあり、発作が続くと心室細動に移行して、ときに突然死に至ることもあるので、危険です。

 

 

心房粗動では電気ショック(電気的除細動)が確実です。麻酔をしたうえで、医師が電極パドルを患者さんの胸に当て、電気ショックを与えて発作を止めます。

 

徐脈性不整脈の治療

治療の中心はペースメーカーになります

徐脈性不整脈には、「洞不全症候群」や「房室ブロック」などがあり拍動のリズムが遅くなったり、一時的に止まったりします。

 

軽度の場合には症状がないことも多く、その場合は治療は不要ですが、息切れやだるさなどの心不全症状が現れたら治療の対象となります。さらに注意が必要なのは、脳への血流が悪くなることによって起こるめまいや失神です。これらは、転倒に伴うけがをはじめ、車や機械の操作中であれば重大な事故につながる危険があるため、放ってはおけません。

 

 

徐脈性不整脈の治療の中心は、ペースメーカーの植込みです。心臓の拍動が遅くなりすぎたとき、これを感知して、自動的に電気刺激を発生させて心筋に刺激を与えます。これにより心拍数を増やし、正常な拍動リズムに近づけ、めまいや失神などの症状を防ぐことができます。

 

 

ペースメーカーの植込みというと抵抗がある人も多いのですが、手術そのものは局所麻酔で行える、安全性の高い手術です。いつ、めまいや失神を起こすかわからない状態より、ペースメーカーで心拍を整えるほうが安心といえます。

 

 

徐脈性不整脈に対する薬は一時的に使われることが多い

徐脈性不整脈の治療の第一選択は、前述のペースメーカー植込み術です。したがって、薬物治療はペースメーカーの植込み術を受けるまでのつなぎで用いられることがほとんどです。

 

ただし、高齢者やペースメーカーの植込みができないときは、薬物治療を続けることもあります。

 

主な薬は、心拍数を抑える副交感神経の働きを抑制する副交感神経遮断薬と、心臓の拍動を促すβ刺激薬です。また、副作用として頻脈になる抗血小板薬が使われることもあります。これらはのみ薬で処方されるほか、静脈注射や点滴で用いられることもあります。

 

 

ペースメーカーの本体は右胸に植え込むことも出来ます

ペースメーカーやICDの本 体部分は左胸、鎖骨下あたりに植込むことが多いのですが、右胸に植込むことももちろん可能です。基本的に、利き手の反対側に植込むので、左利きの人であれば右側に植込みます。また、まれに植込んだ部分の皮膚が壊死を起こすなどの問題が生じることがあり、そのような場合も反対側に再度植込みます。

 

 

徐脈があってめまいがある場合はペースメーカーが必要ですか?

めまいがあるとき、それが確実に徐脈によるものであれば、ペースメーカーの植込みを検討したほうがよいでしょう。

 

心電図検査を受けて、3秒以上心停止が続く、あるいは1分間の心拍数が40回以下になるような徐脈性不整脈があれば、めまいの原因となっている可能性が高いと考えられます。

 

症状が軽いめまいだけなら、医師に相談して経過をみる選択肢もありますが、失神が起こるようになったら放置せず、ペースメーカー治療を受けることが勧められます。

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