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メニエール病は難聴の悪化を防ぐ治療をします

メニエール病はめまい、耳鳴り、難聴をくり返すのが特徴です

メニエール病の特徴は、理由もなくめまいが起こり、耳鳴り、難聴も起こってきて、しかもこの発作をくり返すことです。メニエール病はめまいを起こす病気の代名詞のように使われることがあります。また原因がわからずに、めまいの患者さんをすべてメニエール症候群という医師もいます。

 

しかし、メニエール病は俗称としてのメニエールやメニエール症候群とはまったく異なります。

 

次の三項目を満たしたものが本来のメニエール病です。@とB、あるいは@とBがある場合はメニエール病の疑いがある例として経過を観察します。

  1. めまいの発作をくり返す
  2. 耳鳴り、難聴などの蝸牛症状がめまいに伴って反復または消長する
  3. 検査・診察により@Aの症状が起こるほかの病気と鑑別できる

 

 

メニエール病の原因は内リンパ水腫と考えられています

メニエール病の原因は、内リンパ水腫、つまり内耳の水ふくれと考えられています。内耳を流れる内リンパ液は一定量に保たれていますが、何らかの原因で内リンパ液が過剰に産生されたか、あるいは吸収障害で水腫を起こしている状態が内リンパ水腫です。

 

内リンパ水腫が起こって内耳圧が高まり、高くなりすぎると、蝸牛管と前庭階を隔てているライスネル膜が腫れて破れ、内リンパ液と外リンパ液が混ざり合ってしまいます。これらの圧の変化や内耳のリンパ液の変化が聴覚を担当している細胞に刺激を与え、耳鳴り、難聴などが起こります。

 

 

内耳には聞こえをつかさどる神経(蝸牛神経)と平衡感覚をつかさどる神経(前庭神経)があり、お互いにつながっているため、めまいも起こります。前庭神経は脳幹で自律神経系とも結びつきが深いため、吐き気、嘔吐、頭痛といった自律神経系の症状も引き起こされることがあります。

 

 

ライスネル膜が破れて満牛管の内圧が下がると、破れたライスネル膜が修復されます。また、薬物治療により水腫が改善されれば、発作はたいてい数時間でおさまりますが、数日かかることもあります。

 

内リンパ水腫はくり返し起こるため、メニエール病の発作もくり返します。頻度は数週から半年に一回程度が多く、人により異なります・発作がないときはめまいは起こりませんが、耳の症状は発作をくり返すたびに悪くなっていきます。

 

 

めまいは回転性のめまいが多いのですが、フワフワするとか、ふらつくという人もいます。吐きけやおう吐、頭痛、肩こりを伴う人もいます。しびれやマヒなど中枢神経の症状は起こりません。めまいやおう吐が激しいと、耳鳴りや難聴に気づかない人もいますが、発作をくり返才つちに耳鳴り、耳づまり感、聞こえにくさに気づきます。

 

 

メニエール病で大切なのは、この耳の症状です。めまいの発作には慣れていく人もいますが、難聴は元に戻すことがむずかしく、早いうちからチェックし治療を行うことが大切です。

 

 

内リンパ水腫があるかどうかを確かめて確定診断します

メニエール病の診断では、めまいの検査によりふるい分けをします。メニエール病が疑われる場合は、確定診断と病気の重症度を調べることになります。

 

確定診断では、内リンパ水腫が起こっているかどうかを確認するためにいろいろな負荷試験を行いますIそのひとっに利尿薬のグリセロールをのんで、服用前と服用3時間後の聴力を比べる検査があります。

 

服用後、聴力がよくなっていれば、内リンパ水腫が起こっていると確認できることになります。このほか、薬を用いて眼振検査をしたり、鼓膜から中耳に針電極を刺して内耳電位を調べる鼾艦即検査などを行うことがあります。重症の人には、CT、MRIなどの画像検査を行うこともあります。

 

 

治療の中心は薬物治療となります
めまいの発作が起きているときの治療は、「めまいの治療にはどのようなものがあるのでしょうか?」を参考にしてください。聞こえが急激に落ちた場合は、安静にして一時的にステロイド薬を使うことがあります。星状神経節ブロックを行ったり、混合ガス療法で耳の症状をやわらげることもあります。

 

一般的な治療では薬物療法が中心となります。抗めまい薬、鎮吐薬、脳代謝改善薬、脳血流改善薬、末梢神経障害改善薬、状態に応じて筋緊張治療薬、抗不安薬や抗うつ薬、自律神経調整薬が使われます。

 

内リンパ水腫の治療薬として利尿薬も処方されます。イソバイドGは内リンパ水腫を軽くする作用があり、めまいや聴力の悪化があるときに服用すると有効なことがあります。

 

 

過労、ストレスを避けましょう

メニエール病は、気圧や天候の変化を受けやすいといわれます。また、過労や睡眠不足などで体調が悪化したり、ストレスがたまると、発作が起こりやすくなります。女性は月経の前後に起こるという人もいます。

 

ふだんから過労や睡眠不足、ストレスを避けるとともに、こうした前ぶれがあるときは、次のようなことも再発の予防につながります。

  • イソバイドなどを服用する
  • 仕事、家事はほどほどで切り上げる
  • 高いところでの作業、車の運転をしない
  • 遠出や混雑したところへの外出を避ける
  • 睡眠、休養を十分にとり、つき合い酒、夜ふかしをしない

めまいに強くなる平衡訓練をとり入れるのもよい方法です。食事はむくみを防ぐ意味で、塩分をとりすぎないようにします。たばこは止め、酒は量を超さないようにします。生活のリズムを整えることも大切です。

 

めまいをくり返すことに対して不安感がある場合には、心理療法(138ぺLン)などをとり入れることもあります。

 

 

めまいに対しては内リンパ嚢開放術を行うことがあります

メニエール病の患者さんの多くは、定期的に診察を受け、薬物療法と生活面での注意を続けるとよくなっていきます。最終的に薬がいらなくなるケースもあります。

 

しかし、なかには強い発作が起こり、薬の効果が上がらない場合もあります。とくに頻度は非常に少ないものの、両側の耳にメニエール病が起こっている場合は、難聴の進
行が早くなる場合があり、早めに手術を検討するのが一般的です。片側に起こった場合でも、症状の進行が早い場合は手術を行うことになります。

 

手術は、めまいに対するもので、内リンパ嚢開放術、前庭神経切断術があります。いったん、低下した聴力は元にもどりませんが、現状を維持することは可能です。

 

以前は内耳を破壊してしまう迷路(内耳)摘出術、三半規管にストレプトマイシンを注入する方法などもありましたが、これらは現在では一般的でありません。難聴が進んだ場合は、補聴器を使用することも考えられます。

 

 

内リンパ嚢開放術

内リンパ嚢は、耳の骨と小脳を包んでいる硬膜の問にある袋状の器官です。ここで内リンパ液を吸収するのですが、吸収がうまくいかないとリンパ液がたまりすぎ内リンパ水腫になります。

 

この水腫を改善させるのが内リンパ嚢開放術で、ポルトマン手術ともいいます。内リンパ嚢を切開して内リンパ液の排出路を作ります。

 

全身麻酔で約3時間ほどかかり、入院は平均して10日間くらいです。手術後まれに内リンパ液の排出口がふさがる例がありますが、その場合は再手術をします。

 

 

前庭神経切断術

めまいの原因が内耳にあり強いめまいが頻発する場合や、メニエール病の内リンパ嚢開放術を行っても再発した場合には、平衡感覚をつかさどる前庭神経のみを切断する手術を行うことがあります。

 

この手術によって、長期的にはめまいが起こらなくなりますが、一時的にめまいが強くなることがあります。術後半年くらい、かなりがんこな頭痛に悩まされることもあります。これは鎮痛薬で対処し、しだいにおさまっていくのを待ちます。両側の内耳に障害がある場合は、この手術の対象となりません。

 

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