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小児喘息の発作時の対処方法とその後の長期管理について

小児喘息の発作の程度の見分け方

子どもの喘息では、大人の観察と判断が必要です。喘息は日中に元気そうでも、夜から早朝にかけて発作を起こすことが少なくありません。早め早めに手を打ち、とくに夜になってからあわてないように気をつけることが大切です。

 

たとえば、子どもは少し痰がからんだり、ゼーゼーが聞こえる程度の状態では元気に遊んでいることが多いようです。

 

しかし、小児喘息ではゼーゼー、ヒューヒューが聞こえるときから小発作とします。ふだんからお子さんのようすをよく観察してこうした変化に気づくことが大切です。

 

小児喘息の階別の対処のしかた

発作が起こったときの対処法は個人によって異なります。ここではおおまかなめやすを紹介しますが、あらかじめ主治医から本人に合った対処法を聞いておくのが安心です。

 

ゼーゼー、ヒューヒューが聞こえたときには、本人が元気そうにしていても小発作がはじまっています。昼間にこうした発作が起きた場合は、夜になって診察を受けなくてすむように、早目に適切な処置をとることが大切です。

 

ぬるま湯を飲ませて痰を出す

小発作では寝かせる必要はありませんが、なるべく安静にさせます。痰を出すと気道が広くなり、呼吸がしやすくなります。気管支拡張薬を使うと気道が広がり痰が出しやすくなります。また、ぬるま湯などを飲ませ、痰を柔らかくしておくと出しやすくなります。

 

衣服をゆるめ、深呼吸を2〜3回繰り返してから大きく息を吸って、そのまま4〜5秒息を止めます。そのあと、いきおいよくお腹からせきをすると痰が上がってきます。のどまで痰が上かってきたら、せき払いをして痰を吐き出します。

 

頭を肺より低い位置に置く姿勢をとると、痰が移動しやすくなります。タッピングといって手をお碗のように丸くして、背中や胸を下から上へ叩いていくと、痰が出やすくなることがあります。ただし、タッピングは本人が嫌がるときは無理じいしないことです。

 

 

薬をのんでようすを見る

内服薬をもらっている場合はそれをのんでようすをみます。発作が悪化しやすく吸人薬を処方されている場合は吸入をします。これでようすを見てよくならない場合は、気管支拡張薬の吸入を2〜3回試してようすを見ます。

 

小発作の場合は、だいたいこの程度でよくなりますが、よくならない場合は早めに診察を受けましょう。診察のときには、経過と使った薬の種類、量なども報告します。

 

中発作では気管支拡張薬を使いましょう

ゼーゼーして苦しそうで食事も十分にとれないときは、安静にして医師に指示された気管支拡張薬を吸入するか内服して、痰を出します。

 

なるべく薬は使いたくないという人もいますが、気管支の状態を悪化させないためには、とりあえず医師に処方された薬を使ってようすを見ることが大切です。とくに気管支拡張薬は発作がひどくなってからでは効きにくくなります。

 

薬を使ってもよくならなかったり、1〜2時間して悪化してきた場合は、医師の診察を受けます。

 

 

夜間の小児喘息発作はようすを見ながら翌朝を待って受診しましょう

夜に発作が起こったときには、小発作の場合も中発作の場合もこれまで説明したような処置をしながらようすを見ます。よくならないようでも大発作にならなさそうなら、翌朝まで待って診察を受けます。もちろん、下記のような重度の症状が出た場合は、診察を受けることが必要です。

 

受診しないで発作がおさまった場合も、その経過をメモにして次回の診察のときに報告すると、その後の治療方針を決めるうえで毀収な資料になります。

 

なお、夜間や早朝に発作が起こりやすい場合、状態によっては、テオフィリン徐放薬や長時間作用型のベータ刺激薬、貼付薬などを使って発作を予防できることがあります。発作のようすを医師に伝えて相談するとよいでしょう。

 

 

小児喘息でこんなときは病院へ行きましょう

息が苦しくて横になっていられず、起き上がって肩で息をしているような大発作では、気管支拡張薬の吸入をして、すぐに救急外来で診察を受けます。かかりつけ医に対応してもらえる場合は、受付に申し出て早めに処置をしてもらいます。

 

ただ、夜中や早朝にこうした発作が起こったときには、救急車を頼むほどかどうか迷うところです。痰が出せれば出して薬を使い、発作がしずまっていきそうなら慎重にようすを見ましょう。

 

 

ただし、次のような症状が一つでもあるときには、呼吸不全の状態です。すぐに救急車を手配して手当てを受けながら病院に行きましょう。

  • 意識低下 … ぼーっとしている、呼びかけに反応しない
  • 呼吸困難 … 息苦しそうにしていたり、苦しくて話すことができない
  • チアノーゼ … 顔が青ざめ唇が紫色
  • 意識障害 … うわごとをいう
  • 呼吸音が弱くなった
  • 興奮 … 暴れることもある

 

これまで聞こえていた喘鳴(ゼーゼー、ゼロゼロ、ヒューヒュー)が小さくなってきて息苦しそうなときも重症化している証拠ですから、すぐに救急車を手配します。

 

 

次のような場合には、救急車は手配しないまでも、早目に夜間救急外来などを受診します。

  • いつもの発作と違う感じ
  • 今は中発作程皮だが、以前に大発作で入院したことがある
  • うまく話せず、動けない

 

こうした症状がない場合は、気管支拡張薬を使ってしばらくようすをみます。起坐呼吸といって起き上がって座り込み、肩で呼吸をしますが、本人にとっては横になるより楽なので、そっとようすを見ます。寒い季節はからだが冷えないように配慮しましょう。

 

空気が乾燥しているときは、加湿器やぬれタオルで蒸気を上げると呼吸が楽になるようです。

 

薬を使ってもよくならなかったり症状が悪化してきた場合は、早めに救急外来で治療を受けましょう。歩くのがつらそうなときは抱っこをして移動します。

 

 

乳児は中発作でも薬を使ってすぐに受診をしましょう

二歳以下の子どもでは、気道の発達が十分でないこともあり、発作を起こすと急激に気道が狭くなって症状が悪化します。このため、大人が早く異常に気づき適切な処置をとることが必要です。

 

ゼーゼー、ヒユーヒユーが聞こえる小発作の時点で、医師から処方された薬を使いようすを見ましょう。よくならない場合は気管支拡張薬も使ってみます。

 

乳児の場合、ゼーゼーやせき、陥没呼吸があり、苦しそうにしていて機嫌が悪い、ミルクの飲みがよくないといった症状は、中発作とされています。この時点でも薬を使ってから、すぐに受診するのかよいでしょう。

 

重症化しているときには、上の表のような症状が現れます。。つでもこうした症状に気づいたときは、できるだけ口にく救急外来の診察を受けましょう。

 

 

小児喘息の長期管理のしかた

喘息は発作がしずまってからが本番の治療になります。今後、発作を起こさないためには、気管支の炎症を防ぐためのさまざまな対策が必要となります。

 

とくに小児喘息の場合は、アトピー型喘息のお子さんが多く、薬による予防的な治療とともに、生活環境の中からできるだけ発作の誘因となるアレルゲンを特定して避けることが大切です。誘発因子を除くことも必要です。

 

とくに気密性の高い住居に住んでいる場合、掃除を行き届かせ換気をよくするよう心がけてください。かぜを引かせないようにし、心身を鍛練させることもだいじです。

 

 

ただし、いろいろと気をつけるあまり、生活全体が消極的になるのもよくありません。外遊びや運動なども上手に取り入れ、学校や保育園、幼稚園に元気に通えるようにしましょう。

 

喘息をきちんと管理できれば、発作で夜眠れなくなったり、発作のために病院に行かなければならない回数も減ってきます。

 

 

薬は予防的治療を中心に目的を理解して使いましょう

薬物療法の中心は気道の炎症を抑えることにあり、長期間にわたって続けることになります。発作がしずまると、予防的に使う必要がある薬まで止めてしまう人がいますが、医師の許可が出るまで薬はきちんと続けることが必要です。

 

どんな薬をどんなときに、どの程度使うかは、患者さんの喘息の重症度やタイプによって異なります。また部活をしているとか、受験勉強中だとか、生活パターンも考慮しなければなりません。

 

標準的な薬の使い方は次ページに示しますが、患者さんの場合にどうするかは、ひとりひとりの状態を検討したうえで決めることになります。

 

保護者の方は家でのようすなども、できるだけ的確に医師に伝えてください。夜間や早朝に発作が起こりやすかったり、運動をすると発作が起こるとか、何か精神的ストレスがあるときに発作が起こりやすいといった情報も、治療方針を立てるうえで参考になります。

 

薬は色々な種類がありますが、それぞれの薬の目的を理解して、上手に使い分けてください。

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