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喘息治療に使われる吸入ステロイド薬には2種類あります

定量噴霧式とドライパウダータイプの2つのタイプがあります

喘息治療用の吸入ステロイド薬は、現在、次の3種類の製剤が認可を受けています。

 

吸入ステロイド薬の種類

プロピオン酸ベクロメタゾン

ベクロメタゾンは炎症を抑える作用が強いのですが、腸から血液中に取り込まれると肝臓で薬の成分が分解されてしまい、薬としての効きめがなくなってしまいます。

 

この性質を逆手にとって開発されたのが、吸入薬のベクロメタゾンです。吸入されたベクロメタゾンは気管支でその役割を果たす一方、途中で口やのどにくっついた成分は飲み込んでも肝臓で分解されるため、全身の副作用の心配がありません。

 

専用の定量噴霧式吸入器(ハンドネブライザー)を使って吸入しますが、息を吸い込むタイミングと薬を噴霧するタイミングがずれたり、息の吸い方が速すぎたりすると、むせてしまってうまく吸入できないことがあります。

 

また、むせずに吸入できても、吸い込んだ薬の多くが口やのどの粘膜に付着してしまうことがあります。こうなると、薬が目的の気管支までうまく運ばれません。

 

 

吸入ステロイド薬が効かないという人のなかには、この吸入器をうまく使いこなせず、せっかくの薬が無駄になっていたという例が少なくありません。

 

 

このため、ペクロメタゾンの吸入では、定量噴霧式吸入器にスペーサーという吸入補助器を併用することが勧められています。とくにラージスペーサーは容量が大きく、むせないで吸入することができます。気管や気管支への沈着率も高まることが確認されています。

 

同時に、声がれや口腔カンジダ症など、ステロイド薬がのどに付着することで起こる副作用の多くも防ぐことができます。スペーサーを使った吸人方法については、下記でくわしく説明します。

 

 

プロピオン酸フルチカゾン、ブデソニド

この2つは、薬を細かなドライパウダー(乾燥粉末)にしたものを専用容器を使って吸い込むタイプです。使い方については下記で説明しますが、どちらもベクロメタゾンに比べて2倍の抗炎症作用があり、少量で気管支粘膜の状態をコントロールできます。

 

細かい粉末を一気に吸い込むため、副作用の現れ方も少ないとされています。以前は患者さんが薬を装填するタイプのものしかなかったのですが、現在発売されているものは、あらかじめ容器の中に薬がセットされていて、数十回使えるようになっています。

 

 

自分に合った薬のタイプを選びましょう

ベクロメタゾンとドライパウダー式の吸入ステロイド薬は、1回で吸入できる薬の量や効果も異なります。

 

どちらを使うかは医師と相談して決めるのかよいでしょう。とくにドライパウダー式のものは小型で持ち運びがしやすくなっていますが、一気に吸い込む作業がむずかしい幼児には適していないかもしれません。ピークフローメーターを使える年齢くらいがひとつの目安になるでしょう。

 

ラージスペーサーはパウダーだとむせやすいという人にも向いています。

 

 

吸入ステロイド薬は効果が出るには一週間くらいかかる

では、吸入ステロイド薬はどの程度の症状から使うのかよいでしょうか。

 

大人の場合は、週に2回以上発作が起こるステップ2がひとつの目安です。子どもの場合は成長過程にあることも考えて慎重に検討しますが、中等症持続型になったら使用を検討します。とくに喘息歴が長い場合は、気道のリモデリングを防ぐ意味で早めに試みるのもひとつの方法です。

 

吸入ステロイド薬の効果が現れるまでには、最低でも2週間ほどかかります。ピークフロー値が基準値の80%に達したら、効果が出てきたと判断します。症状ではゼーゼーといった症状が出なくなってくるか軽くなっていきます。はじめは回数を多めにして改善してきたら、回数を減らしていきます。

 

 

スペーサーは吸入しやすく失敗が少ないのが特徴です

吸入ステロイド薬のベクロメタソンは、吸入補助器を使うと薬を楽に吸入できます。薬の噴霧と吸入のタイミングを合わせる必要がないので幼児でも使用できます。

 

あらかじめ補助器の中に薬をスプレーしておき、これをゆっくり吸い込みます。吸入補助器はいくつかのタイプがありますが、ここでは筒状のラージスペーサーの使い方を紹介します。ポイントは次の5つです。

  1. 薬をスプレーする前にボンベをよく振っておく
  2. 吸う前に息をゆっくり吐いておく
  3. マウスピースをくわえたら途中で囗から離さない
  4. 吸人しきったら、息止めをして薬をいきわたらせる
  5. 吸入後、しっかりうがいをする

 

 

ドライパウダー式は少量で効果が高いのが特徴です

フルチカゾンとブデソニドはドライパウダー(乾燥粉末)を専用容器に入れて吸入するタイプで、容器が小さく持ち運びにも便利です。すでに薬剤が入っていて数十回吸入でき、残量のめやすが確認できるタイプが開発されています。

 

少量でよく効き、スペーサーのように吸入後に長く息を止めておく必要はありません。

 

ただ、一気に深く息を吸い込む必要があるため、幼児や呼吸機能が低下している人などでは吸入がむずかしいようです。

 

また、スペーサーよりは、薬が目やのどに付着する割合が高いので、より念入りにうがいをすることが必要です。つばを飲み込んだりしないうちに、のどの奥までていねいにうがいをし、うがいの水も飲み込まないように気をつけます。

 

使用後は吸入口を軽く拭いておきます。

 

ドライパウダー式の2つのタイプの吸入方法

ディスカスでの吸入法
  1. 親指をグリップに当てカチリと音がするまで回してカバーをあける
  2. 吸入口を自分に向けて持ち、レバーをカチリと音がするまで押しつけて吸入口を開口する
  3. 軽く息を吐いてから吸入器を平らに持ち吸入口をくわえて口から速く深く息を吸い込む
  4. 吸入口をはずし軽く息止めをしてから、ゆっくり息を吐く
  5. グリップに親指を当てカチリと音がするところまで回し戻して吸入口を閉じる
  6. 以上を決められた回数繰り返し、終わったら、口に残った薬を洗い流すために、しっかりうがい、口すすぎをする

 

タービュヘイラーでの吸入法
  1. キャップを反時計回りに回してはずしてから、吸入器をまっすぐ立て、茶色の回転グリップをクルッと反時計回りに回す
  2. 次に時計回りにカチッと音がするまで回すと、1回分の薬がセットされる
  3. 吸入口にかからないように、息を吐く
  4. 空気の取り入れ口を塞がないように吸入器を持ち、吸入口をくわえ、深く力強く吸い込む
  5. 吸入後の息こらえは不要。吸入器から口を離し息を吐く
  6. 以上を決められた回数繰り返し、キャップを回し閉め、念入りにうがいをする

 

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