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喘息の治療はどのように行われるのでしょうか

喘息発作を防ぐ治療法に変わって喘息死が減少しました

喘息の治療は原因の解明や新薬の開発が進み、日進月歩の勢いで進んでています。

 

なかでも重要なのは、治療方針そのものが、起こってしまった発作を緊急的にしずめることに重点を置くのではなく、その原因となる気道の炎症を抑え発作を未然に防ぐことへと移っていることです。

 

治療の主体が気管支拡張薬から吸入ステロイド薬に替わり、気管支拡張薬をはじめとするさまざまな薬も予防的な使い方をするように変わっています。

 

こうした取り組みにより、欧米諸国では喘息による死亡や緊急入院が急激に減ってきています。日本でも予防的治療法に転換した医療機関では、喘息による緊急入院や死亡例が大幅に減っています。

 

 

しかし、最近行われた、喘息患者さんを対象とする国際規模での調査によると、日本における喘息患者さんの治療状況は、欧米諸国に比べて必ずしも満足とはいえないことがわかりました。

 

たとえば、喘息により「予定外の通院」を余儀なくされた患者さんは、欧州諸国では成人が23%、子どもが30%であるのに対し、日本では成人が36%、子どもが58%にも達しています。

 

喘息による欠勤・欠席は、欧州諸国では成人が17%、子どもが43%であるのに対し、日本では成人が30%、子どもが52%にも達しています。

 

 

喘息の予防的な治療で重要な役割を果たすピークフローメーターを持っている人は、欧米では成人・子供とも26〜27%前後なのに対し、日本では成人で12%、子どもで7%にしか達していません。

 

また、吸入ステロイド薬の使用率は、欧米諸国では成人が22%、子どもが23%であるのに対し、日本では成人が12%、子どもでは5%しか使用していないこともわかりました。

 

 

喘息はやっかいな病気で、とくに大人になってから発症した喘息は、アトピー型、非アトピー型を問わず治療が困難です。

 

しかし、発作の原因に対する治療をきちんと行えば、発作のために仕事や学校を休んだり、緊急に受診するような事態は防ぐことができます。患者さんは、自分の喘息をこの程度で仕方がないとあきらめず、的確な治療を行って、一病息災、発作に悩まされない、いきいきとした生活を送っていきたいものです。

 

 

喘息治療のガイドライン

1.健常人と変わらない日常生活が送れること。正常な発育が保たれること
2.正常に近い肺機能を維持すること
 ピークフローの変動が予測値の10%以内
 ピークフローが予測値の80%以上
3.夜間や早朝のせきや呼吸困難がなく、夜間睡眠が十分可能なこと
4.喘息発作が起こらないこと
5.喘息死の回避
6.治療薬による副作用がないこと
(旧厚生省免疫・アレルギー研究班・喘息治療のガイドライン1998より抜粋・改変)

 

小児喘息治療・管理ガイドライン

1.(軽い)スポーツを含め日常生活をふつうに行う
2.昼夜を通じて症状がない
3.β2刺激薬の頓用が減少または必要がない
4.学校を欠席しない
5.肺機能がほぼ正常
6.PEF(ピークフロー値)が安定している
(日本小児アレルギー学会・小児喘息治療・管理ガイドライン2000より抜粋・改変)

 

 

喘息治療は対症療法から予防的治療へ

喘息は、生まれつき気管支が弱いのだから仕方がない、アレルギーだから治しようがないとあきらめている人は少なくありません。発作が起こっても、その場をしのぐことができれば「よし」としようと思っている人も多いようです。

 

しかし、喘息の治療は非常に進歩しています。病気そのものを完全に治すことはむずかしくても、喘息の進行をくい止めることは可能です。

 

とくに呼吸困難を伴う発作は、的確な治療をしっかり続けていけば未然に防ぐことができる時代になりました。喘息の発作を防ぎ病気の進行をくい止めるキーワードは、「気道の炎症を抑えること」にあります。

 

喘息の患者さんの気道粘膜はふつうの人より敏感にできていて、炎症を起こしやすい状態にあります。炎症が起こるメカニズムをとらえて、さまざまな角度からこれを阻止しようというのが、喘息の予防的治療法です。

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