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喘息患者さんは気道の測定にピークフローメーターでチェックします

ふだんから気道の状態をチェックして喘息発作を防ぎます

喘息の治療では発作が起こってから対策を講じるのではなく、いかに発作を起こさないようにするのかが重要です。それにはふだんから自分の気道のようすを把握しておき、気道が詰まって発作を起こしそうになる前に対応することが大切です。

 

喘息の発作は、医師が診療している昼間より夜間や早朝に起こりやすいという特徴があります。患者さんがもっとも気道を詰まらせやすい時間帯の情報を手に入れるには、患者さん自身で気道のようすをチェックするほかありません。

 

 

ピークフローメーターで最大呼出量を自己測定

ピークフローメーターは、喘息の患者さんが自分で気道の詰まり具合をチェックできるように作られた測定器です。

 

医療機関で実施する肺機能検査と同様の要領で1秒ほど強く息を吐き出すとその流速が1分間あたりのリットルに換算されて表示されます。この値をピークフロー値(PEF=最大呼出量)といい、肺機能検査での一秒量と相関関係にあります。

 

モニタリングといって毎日決まった時間に測定すると、そのときどきの喘息の重症度を客観的に評価することが可能になります。

 

ピークフローメーターにはいくつかの種類があります。価格は2000〜4000円程度ですが、医師に相談して選びましょう。状態によって貸し出しをしてくれる医療機関もあります。

 

気道の詰まり具合は患者さんの自覚症状からも見当がつきますが、長い間喘息にかかっていると、だんだん慣れてきて重い症状を過小評価しがちになります。これは家族も回様です。

 

のどかゼーゼー、ヒューヒューいっているときに、はじめて患者さんに会った人は症状が重いのではないかと心配しますが、普段から一緒にいる家族の人はいつものことと思いがちです。

 

それでいて、いったん人発作に見舞われると、呼吸困難から死んでしまうのではないかと不安感を募らせることが少なくありません。こうしたことを防ぐ意味でも、ピークフロー値を使って症状を客観的にとらえることが重要です。

 

 

またピークフロー値は、自覚心状が現れる前から気道の状態を反映します。発作が起こりそうなときは、その前から数値が低下していくことが多いのです。つまり、毎日モニタリングをしていると、事前に発作を予知することができるようになります。

 

 

あらかじめ医師の説明を受けて薬を用意しておけば、状態に合わせて気管支を拡げる薬を吸入したり、飲み薬をふやしたりして発作を防ぐことができます。薬が効かなくなるような大発作を起こして、いわゆる喘息死に至るといったことから身を守ることもできるでしょう。

 

また、ピークフロー値をつけながら薬を使用すると、薬の効果の程度を判断するめやすにもなります。そのうえで、喘息日記もいっしょにつけておくと、どんなときにピークフロー値が下がるのかも見当がつくようになります。

 

 

ピークフローメーターは同じ姿勢で同じ時間帯に測定します

では、ピークフローメーターの利用の仕方について説明しましょう。

 

ピークフローメーターは、吸ったり吐いたりする動作を自分でできる人であれば、だれでも使えます。子どもの場合は、3〜5歳くらいになると使えるようになるでしょう。喘息の程度としては、夜間発作があり、週に1〜2回くらい睡眠や日常生活が妨げられる場合(中等症)には、ピークフロー値を測定することをおすすめします。

 

 

ピークフローメーター測定時の姿勢

測定は、原則として立った姿勢で行います。この姿勢がもっとも正確な数値を得られます。つらい場合はいすに座ったり、寝た状態で測定してもかまいませんが、その場合には備考欄にメモをしておきましょう。

 

ピークフローメーター測定の測定時間帯

ふつうは最低2回、起床直後と就寝前に測定します。状態がよくないときは、昼と夕方にも測定するとよいでしょう。いつも決まった時刻に、喘息薬を吸入または服用する前に測定しグラフ用紙に記入します。

 

なお測定を開始してから数日間は定時の測定のほかに、午前11時と午後2時にも測定してください。この時間帯は、1日のうちでもっとも換気能がよいとされています。その最高値の平均値を自分の「最良値」として明記しておきましょう。

 

最良値は、喘息の重症度を判断するときのめやすになります。

 

 

ピークフロー値を基準値と比べて気道の状態を把握する

ピークフロー値を読んだら、自分の基準値と比較してみます。測定値が基準値の80%以上であれば、コントロール状態がよいと判断できます。なお基準値は前述した最良値を使う方法と、性別・年齢・身長から割り出した標準値を使う方法があります。どちらを使うかは医師と相談してください。

 

測定値が基準値の80%以下の場合は、あらかじめ医師に指示された薬を使って気道の状態が改善されるかどうかを調べていくことになります。

 

 

測定値はいつも一定ではありません。通常、早朝や夜間には低下する傾向が見られます。とくに喘息では「モーニングディップ(朝の落ち込み)」といって、起床時のピークフロー値が、就寝前より20%以上低下することがあります。

 

変動幅が大きいほど、気道の過敏性が進んでいて発作を起こしやすい状態にあるといえます。

 

 

ゾーンシステムを利用して薬を調節する方法もある

ピークフロー値から気道の過敏性や発作が起こりそうかどうかなどを判断するには、ゾーンシステムを利用すると便利です。患者さんの基準値からゾーンを割り出して、自分の測定値と照らし合わせます。

 

そのときどきの対応方法は、あらかじめ医師と相談しておきます。たとえば、「グリーンゾーンなら、次の受診まで同じ処方の薬を続ける」。「イエローゾーンになったら吸入量をあらかじめ指示されたとおりにふやす」といった具合です。

 

 

グリーンゾーン … 基準値の80%以上。望ましい範囲です。
イエローゾーン … 基準値の80〜50%。注意が必要な範囲です。
レッドゾーン …  基準値の50%以下。警戒・危険範囲です。

 

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