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喘息の治療には検査がとても重要です

アトピー型喘息かどうかを検査で調べます

皮膚反応テストでアレルギー反応の有無を調べます

喘息の診断では、アトピー型(アレルギー性)か非アトピー型かを調べる検査が欠かせません。これは皮膚反応テストあるいは血液を採取して行う検査で簡単にわかります。

 

血液検査は1回の採血だけでできますが、アレルゲンの種類によっては敏感に反応しないことがあります。そのため、皮膚反応テストを行うのが確実です。

 

皮膚反応テストは、原因と思われるアレルゲンのエキスを皮膚に直接、接触させてアレルギー反応が起こるかどうかを調べる検査です。一度に何種類かのエキスを接触させ、ひとつひとつについて、10〜15分後に赤くなっていないか、膨らんでいないか、痒くないかどうかなどをチェックしてアレルゲンを突き止めます。

 

 

皮膚反応テストは血液検査よりは、患者さんへの負担がかかりますが、アレルゲンを確実に特定できる検査です。検査結果が早くわかるというメリットもあります。

 

検査の結果を患者さん自身が確認できますから、どんなアレルゲンに注意したらよいのか、自覚するうえでも役立ちます。皮膚反応テストには、次の3つの方法があります。

 

  • スクラッチテスト …  針の先で皮膚に軽いひっかき傷を作り、そこにアレルゲンエキスを少量垂らして反応を調べます。
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  • ブリックテスト …  皮膚にアレルゲンエキスを一滴垂らしておき、そのエキスの上から軽く針を剌して反応を調べます。
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  • 皮内テスト … ごく微量のアレルゲンエキスを皮内に注射して反応を調べます。

 

以上の方法のうち、もっとも確実で信頼性が高いのは皮内テストです。熟練すると一度に20〜30種類のエキスを注射できます。ただし、皮内テストでは、まれに発作を引き起こしたり、痒みがひどくなることがあるので慎重に行うことが必要です。

 

反応を調べるまでの間に、せきや鼻水、痒みがひどくならないかなどを観察してください。異常があったら、すぐに看護師か医師に連絡します。

 

 

血液検査では血清IgE抗体を調べます

血液を使うアレルギー検査では、ラスト法(RAST法)やマスト法(MAST法)という検査もあります。どちらも正式には「血清抗原特異的IgE抗体検出・定量検査」といい、この検査をすると喘息がアレルギー反応によるものかどうかがわかり、その原因となるアレルゲンを突き止めることができます。

 

ラスト法では、専用の試験紙に一枚ずつダニやハウスダスト、カビ、花粉など、予測されるアレルゲンをあらかじめくっつけておき、患者さんから採血した血清を垂らして個々のアレルゲンに反応するかどうかを調べます。

 

 

次に試験紙に、アイソトープをつけた抗IgE抗体を加えます。試験紙のIgE抗体とアイソトープで印をつけた抗IgE抗体がくっついたところで、余分な血液を洗い流します。

 

その後、試験紙に残ったアイソトープをカウントすると、特異的IgE抗体の数値がわかります。数値が高いほど、そのアレルゲンに対する特異的IgE抗体が多いと判断します。

 

また、一般に血清総IgE値が300単位を超える場合は、アレルギーの素因があり、喘息以外のアレルギー性の病気にもかかりやすい可能性があります。幼い子どもでは100単位程度でも、喘息発作を起こすことがあります。

 

 

マスト法はラスト法と同じ検査方法ですが、一度に16種類の特異的IgE抗体が測定できるように工夫されています。このほか、アイソトープを使わずに調べられるFASTシステムという検査方法も実用化されています。

 

 

好酸球の検査だけでは、喘息の確定診断は出来ません

血液検査では好酸球の量も調べるのが一般的です。好酸球が血液や痰の中にふえているときは、喘息の可能性が高いのですが、血液中の好酸球はほかの病気でもふえることがあります。このため好酸球だけでは、喘息の確定診断はできません。

 

喘息の原因となっているアレルゲン(原因抗原)確定診断としては吸入誘発試験を行うこともあります。

 

 

気道の詰まり具合の調べ方

肺活量測定の要領で息を吐き出します

喘息では、あるとき突然ゼーゼー息片しくなったりせき込んだりしますが、その直接の原因は気道が謡まって狄くなることにあります。空気の通りが悪くなり、酸素不足から呼吸困難になり発作が起こるわけです。

 

呼吸困難の症状は喘息でなくても起こります。喘息のために起こっているのかどうかを調べるには、気道が狭くなっていることを確認しなければなりません。

 

この目的で行われるのが肺機能検査と呼ばれるもので、スパイロメーターという肺気量測定装置を使って調べます。測定の要領は学校などで行う肺活量の検査と同じです。マウスピースをくわえて息を吸ったり吐いたりします。

 

 

気道が狭くなっていると1秒量が低く出ます

検査結果はスパイログラムという曲線グラフで記録され、肺に出入りする空気の量(1回換気量)や肺活量などさまざまなデータが描かれます。

 

このうち喘息の診断に必要なのは、「努力肺活量」と「1秒量」です。この2つの数値から「1秒率」というものを割り出すと、気道の詰まり具合がわかります。

 

努力肺活量(FVC)とは、通常の呼吸を数回してから、できるだけ深く息を吸い込んでおき、その後できるだけ速く一気に息を吐き出したときの空気量です。1

 

秒量(FEV1.0)とは、このときのはじめの1秒間に吐き出される空気の量をさします。1秒量が努力肺活量全体の何パーセントにあたるかを割り出したものが1秒率(FEV1.0%)です。

 

 

喘息の場合、肺の部分には異常がないので、努力肺活量は多くの場合正常です。しかし、気道が狭く空気の通りが悪くなっているため、発作時の1秒量は少なくなります。その結果、1秒率も正常の人よりも低くなります。

 

 

肺機能検査は、気道が詰まっていないかどうかの診断に役立ちますが、じつは治療を進めていくうえでも重要なデータとなります。気道の詰まり具合を客観的に評価することができれば、それに合わせて薬を使うことでせんそくの発作を予防できるからです。

 

この目的で開発されたのがピークフローメーターです。これは自宅で簡便に使える測定器です。

 

 

その他の喘息の専門的な検査

誘発テストは緊急対応ができる施設で行います

喘息の検査では、このほかにもいくつかの専門的な検査があります。これらはすべての患者さんに行われるものではありませんが、どんなものがあるのかあらましだけ説明しておきます。

 

吸入誘発テスト

アトピー型喘息のアレルゲンを確実に突きとめるために行うことがあります。皮膚反応で陽性だがラスト法で陰性といった場合などに、陽性の結果が出たほうのアレルゲンエキスをさらに薄めた液にして吸入します。そして、発作が起こるかどうか、肺機能が低下するかどうかを調べます。

 

気道過敏性テスト

気管支を収縮させる作用のあるヒスタミンやアセチルコリンなどを濃度を変えながら吸入させて反応を調べます。薄い濃度で反応するほど気道の過敏性が高いと判断します。

 

このテストは治療効果を調べるときにも使うことがあります。以前反応した濃度を吸入して反応しなければ、状態がよくなっているということになります。

 

運動誘発テスト

運動をすると喘息発作が起こるという場合に、ほんとうに運動誘発喘息が起こっているのかどうかを調べるために行います。一定の運動をしたあとでスパイログラムで肺機能が低下していないかどうかを調べます。

 

なお、こうした誘発テストは、万が一大きな発作が起こった場合に備え、緊急態勢の整った医療機関で実施されます。

 

 

動脈血検査では酸素濃度により重症度を判断します

呼吸機能検査は、吸ったり吐いたりする動作をうまくできないと実施丈施できません。年児や重症の患者さんなどでは検査がうまくできないことがあります。

 

その場合には、動脈血の酸素分圧や飽和度を測って、発作の程度を調べます。酸素分圧が少ないほど、重症度が高いと判断します。

 

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