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脳卒中の再発予防には生活習慣の改善が重要です

危険因子が多いほど再発しやすくなります

脳卒中の危険因子はさまざまです特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症の3大生活習慣病のほか、喫煙、過度の飲酒、運動不足といった生活習慣が、脳卒中の発症に深くかかわっているといわれます。また、心原性脳塞栓症の場合は、心房細動と呼ばれる不整脈が最大の危険因子です。

 

 

危険因子が、2つ、3つ、4つと重なるにつれて、脳卒中を発症する(再発する)確率は飛躍的に高くなります。また、生活習慣病は、たとえそれぞれの病気は軽症であっても、複数重なることで、動脈硬化のリス
クが急激に高まることがわかっています。こうした危険因子を1つでも少なくしていくことが、再発予防の重要なポイントです。

 

メタボリツクシンドロームは大きな危険因子

内臓脂肪型肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質異常などをあわせ持っていることを「メタボリックシンドローム(代謝症候群)」といいます。メタボリックシンドロームになると、動脈硬化が急速に進み、脳梗塞や心筋梗塞などの虚血性の疾患を引き起こしやすくなります。疫学調査研究では、メタボリフクシンドロームは、脳梗塞のリスクを男性で3.4倍、女性で2.2倍に上昇させることが明らかになっています。

 

2007年の厚生労働省の調査では、わが国のメタボリックシンドロームの患者さんは、予備軍を含め1940万人にも上るといわれています。現在、男性の2人に1人、女性の5人に1人はメタボリックシンドロームかその呼び軍と考えられています。

 

脳卒中をもっとも発症しやすい年代は60歳代以降ですが、最近は30歳代、40歳代での発症も増えています。これは、メタボリックシンドロームになりやすい年代と重なっています。つまり、若い人でも、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などのリスクをかかえている場合は、将来の脳卒中発症を予防するためにも、1つでもリスクを減らす努力をする必夊があるということです。

 

 

再発すると予後が悪くなる

脳卒中の中でも、脳梗塞は再発しやすい病気です。特に1カ月以内の再発が多く、1年以内では10%、5年以内では34.1%、10年以内では何と約50%の人が再発しているというデータがあります。

 

初回の発作と同じ部位で再発を起こすケースもまれにありますが、ほとんどは別の場所(部位)で再発します。そのため、再発をくり返すたびに後遺症の程度が重くなり、予後が悪くなります。

 

脳梗塞を一度発症した人は、体質的に再発しやすいといえますので、薬による治療をつづけながら、生活習慣の改善などを心がけていくことがきわめて大切です。

 

 

脳卒中には喫煙と飲酒は危険因子となります

タバコは「百害あって一利なし」

タバコには、400種類以上の化学物質が含まれていることがわかっています。発がん性の有害物質も多く、まさにタバコは「百害あって一利なし」です。中でも、二コチンは抹消血管を収縮させて心拍数を上げ
るため、血圧が高くなり、心臓に大きな負担をかけます。

 

また、タバコを吸うと一酸化炭素も体内に取り込まれますが、一酸化炭素が赤血球のヘモグロビンと結合することで、動脈硬化が進み、不整脈や脳梗塞などのリスクを高めます。

 

タバコを吸う人は、吸わない人にくらべて2倍から3.5倍も脳卒中になる危険性が高いというデータもあります。いまからでも遅くありませんので、タバコを吸っている人はすぐにでも禁煙しましょう。なお、受動喫煙も脳卒中のリスクとなるとされていますので、注意しましょう。

 

飲酒は適量を守りましょう

少量のアルコールは、血管を拡張させて血圧を下げる効果があります。また、血行をよくするので、安眠効果やストレス解消効果もあります。

 

ただし、これはあくまでも適量の飲酒の場合です。適量以上を飲むと、肥満、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの原因になり、脳卒中の危険性が高まります。

 

お酒の1日の適量は、ビールなら中びん1本(500ml缶ビールなら1本)、日本酒なら1合、ウイスキーならシングル2杯まで、ワインならグラス2杯までとされています。

 

 

食習慣の改善も脳卒中には大切です

塩分をとりすぎない

塩分のとりすぎは、脳卒中の最大の危険因子である高血圧をまねきます。

 

現在、日本人の塩分の1日平均摂取量は約12gといわれていますが、減塩の目標としては、はじめは1日10g以下をめざし、しだいに7g以下に減らしていきましょう。ただし、高血圧の人は6g以下が望ましいと
されています。

 

減塩のポイントを次にあげてみます。

  • ラーメンやそばの汁は全部飲まない。みそ汁はできるだけ1日1杯にし、具だくさんにする。
  • ハムやベーコン、かまぼこ、漬け物など塩分の多い食品をとりすぎない。
  • 減塩調味料を利用する。
  • だしの旨味を生かし、薄味に仕上げる。
  • 酢や柑橘類の酸味を上手に生かす
  • 香味野菜や(Iプを上手に利用する。
  • 旬の素材、新鮮な食材を使う。
  • しょうゆやソースはかけないで、つけて食べる。

 

脂肪を上手にとるポイント

現代人は脂肪のとりすぎといわれています。脂肪をとりすぎると、動脈硬化が進んで、脂質異常症や肥満の原因になります。

 

脂肪には、肉類や乳製品に含まれる飽和脂肪酸と、魚介類や植物油に含まれる不飽和脂肪酸があります。それぞれ体には必要な脂質ですが、飽和脂肪酸のとりすぎは、血中コレステロを上昇させます。一方、不飽和脂肋酸には、血中のコレステロールや中性脂肪を調節する作用や抗血栓作用があります。

 

脂質の上手なとり方のポイントを次にあげてみます。

  • 飽和脂肪酸1に対して、不飽和脂肪酸を1.5〜2の割合でとる。
  • 肉は脂肪の少ない部位を選ぶ。豚肉や牛肉なら、もも肉やヒレ肉などのいわゆる赤身肉、鶏肉なら胸肉やささ身など。
  • フライや天ぷらなど、揚げ物は控える。
  • 肉は焼くよりも、ゆでたり点たり熊したりしたほうが、脂肪を落とすことができる。
  • 厚みのある肉は薄切りにすると脂肪がよく落ちる。
  • バラ肉など脂肪の多い肉は、熱湯で軽く下ゆですると、脂肪を落とせる。

 

バランスよく食べる

栄養のバランスをとるには、主食・主菜・副菜のそろった献立にすることがポイントです。また、食品は、種類によって含まれている栄養素が異なるため、できるだけ多くの種類の食品を少量ずつ食べれば、それぞ
れの食品に含まれるさまざまな栄養素をまんべんなくとることができ、結果的に栄養素のバランスがよくなります。

 

多種類の食品を少量ずつまんべんなくとるには、主食、主菜、副菜がそろつた「一汁三菜(ごはんに汁もの、主菜1品と副菜2品)」の和食が理想的です。和食は、ごはんを主食に、魚介類や野菜類、豆類、根菜類などの多様な食材をおかずの材料にするので、さまざまな栄養素をバランスよくとることができます。

 

これに、適量のくだものや牛乳、乳製品を加えると、さらに栄養素のバランスがよくなります。

 

脳の血管を守る食物繊維

食物繊維には、コレステロール値の上昇を防ぎ、塩分の吸収を抑えて高血圧を予防改善する働きがあります。食物繊維を多く含む海藻類や一覧類、野菜、根菜類、きのこなどを積極的にとりましょう。ただし、抗凝固薬を服用している場合は、ビタミンKの摂取に注意が必要です。

 

 

適度な運動で脳卒中の再発予防を

ほどよい運動習慣が生活習慣病を予防する

適度な運動は、脳卒中だけでなく高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病全般の予防に有効です。

 

ただし、運動が大切といっても、どんな運動でもよいわけではありません。脳卒中の予防にもっともふさわしい運動は、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリング、ラジオ体操、ヨガ、水泳(水中ウォーキング)などの有酸素運動です。

 

有酸素運動というのは、体内にたくさんの酸素を取り入れながら行う運動のことで、心肺機能を向上させるとともに、体脂肪を効率的に燃焼させることができます。その結果、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を減らし、HDL(善玉) コレステロールを増やすことにつながります。

 

また、タウリンやドーパミンなど、血圧を下げる働きを持つ物質を増やしたり、インスリンが効率的に働けるようにしたりする効果もあります。

 

運動するときの注意点

運動を行うにあたっては、次のような点に注意しましょう。

メディカルチェックを受ける

どのような運動がよいかも含めて、事前に主治医に相談しましょう。特に、高血圧で降圧薬を服用している場合は、必ず主治医の指導を受けましょう。

 

運動を行う時間帯

運動を行う時間帯に制限はありませんが、高血圧の人は血圧が不安定な早朝や午前中のウォーキングは避けたほうがよいでしょう。また、血糖降下薬やインスリンで治療中の糖川病の」人は空腹中の運動は禁物です。

 

低血糖をまねきやすく、意識を失う危険性もあります。食後1時間ほどたったころに行えば、効率的に血糖値を下げることができます。

 

水分補給を忘れずに

運動をして汗をかくと、体内の水分が失われます。運動をするときは、運動の前、運動の最中、そして運動のあとに、こまめに水分補給をすることが大切です。特に、夏場は短い時間大量の汗が出るため、体内の水分が一気に失われてしまいます。「のどか渇いた」と感じる前に、すでに脱水状態になっている場合もありますので、「水分補給は10分おき」と決めておくとよいでしょう。

 

また、脳梗塞の原因となる血栓は、脱水によって血液の粘度が増すとできやすくなるので、運動中だけでなく、常に水分をたっぷりとって血栓ができるのを防ぐ心がけが重要です。

 

ただし、ジュースや消涼飲料水、スポーツドリンクはカロリーが高いので、水やお茶を飲みましょう。

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