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不整脈の薬以外の治療方法

不整脈の治療では、薬のほかに、頻脈性不整脈の根本治療ともなるカテーテルアブレーション、ペースメーカーや植え込み型除細動器など、さまざまな非薬物治療があります。

 

不整脈の症状のタイプや患者さんの状態によって選択されます。具体的には次に様なものがあります。

 

1.迷走神経刺激法(クリックで詳細)
2.カテーテルアブレーション(クリックで詳細)
3.ペースメーカー(クリックで詳細)
4.電気ショック療法(クリックで詳細)
5.植え込み型除細動器(クリックで詳細)
6.心臓再同期療法(クリックで詳細)

 

迷走神経刺激法

迷走神経を剌激して頻脈を止めます

薬や特別な医療器具を使わずに、不整脈を鎮める方法が、「迷走神経刺激法」です。自分でできる方法もあります。

 

もちろんどの不整脈にも効くわけではありませんが、特に発作性上室頻拍によって、急に激しい動悸がしたときなどに効果があります。

 

迷走神経は、自律神経のうち副交感神経の大部分を占めており、頚部胸部、腹部の臓器に広く分布しています。運動や知覚などを含む神経で、主に嚥下や発声、気管や食道の運動、胃や小腸などの消化管の運動、消化液の分泌促進といった働きを支配しています。

 

 

頻拍の発作が起こったとき、迷走神経を刺激すると、心臓の房室結節での伝導が抑制され、頻拍を止めることができます。発作性上室頻拍では電気的興奮が旋回するリエントリーの回路に房室結節が含まれるため、この方法が有効というわけです。

 

 

発作が起きたらすぐに行うと効果的

迷走神経刺激法は、動悸などの発作が起こったとき、すぐに行うと効果的です。なかでも、バルサルバ法は一人でもすぐにできて、比較的安全な方法です。腰かける場所があれば楽に行えるので、外出先など場所を選ばないこともメリットです。

 

なお、頚動脈洞圧迫は、特に中高年の人では脳梗塞を起こすリスクがあるため、自分で行うのは勧められません。また、迷走神経刺激法はあくまでも応急処置です。発作が頻回に起こるときは、悪化している可能性があります。放置せず、受診して検査を受けることが大切です。

 

 

電気ショック療法(体外式電気的除細動)

突然死につながる不整脈を止める緊急処置です

心室細動や心室頻拍の発作が続くと、心臓が血液を送り出すことができず、命にかかわります。このように突然死の危険があるとき、大至急発作を止める処置が必要です。

 

このとき行われるのが「電気ショック療法(体外式電気的除細動)」です。電極パドルを胸に当てて電気ショックを与え、心臓の拍動リズムを正常に戻す治療法です。

 

電気ショックを心臓の筋肉に与えると、心筋が瞬間的に電気刺激によって一斉に興奮し、収縮します。それによって細動か止まり、正常な拍動リズムに戻すことができます。

 

電気ショック療法は医療機関で行うほか、一般の人でも使えるAEDや、体内で自動的に働くICDがあります。

 

誰でも使えるAED

緊急時に応急処置として行う電気ショック療法は、医療機関で医師の手によって行われますが、心室細動のような突然死を招く不整脈はいつ、どこで起こるかわかりません。

 

一般の人でも除細動か行えれば、救える命がもっと増えます。そこで近年、AED(自動体外式除細動器)の設置が進められています。いざというときに備えて、操作法や設置場所の知識を得ておきたいものです。

 

 

心房細動の発作を止める治療としても行われます

電気ショック療法は緊急処置としてだけでなく、心房細動の発作を止める治療としても行われており、これを「待機的除細動」といいます。

 

ただ、この治療は一時的に発作を止めるもので、根治や発作予防ができるわけではありません。原則として、その後は抗不整脈薬による薬物療法やカテーテルアブレーションなどの治療を受けることが前提です。

 

具体的には、静脈麻酔をして、意識のない状態で胸に電極パドルを当て、電気ショックを与えます。

 

電気ショック療法を行うと、心臓内でできた血栓が血流にのって流れていき、脳梗塞を起こすことがあります。そこで、治療の前後に抗凝固薬を服用して、血栓を防ぐ対策をします。特に何らかの血栓塞栓症を起こしたことがある人や高齢者、心不全のある人、高血圧や糖尿病のある人は、抗凝固療法を十分に行う必要があります。

 

 

電気ショックは痛くないの?やけどが残ることは?

麻酔下で行うので、痛みは感じませんが、やけどについては、多少起こります。

 

心房細動の治療では強い電気刺激が必要なため、電極パドルを当てた部分に軽いやけどができることがあります。ただ、数日〜2週間ほどで治るのであまリ心配はいりません。必要に応じて、ステロイド軟膏などで治療します。

 

 

心臓再同期療法

伝導障害を伴う心不全の症状を改善します

健康な人の心臓では、全身に血液を送り出すとき、通常は左右の心室の壁全体がほぼ同時に収縮するようになっています。これを心室が「同期している」といいます。

 

ところが、慢性心不全があり、さらに左脚ブロックなどの伝導障害があると電気刺激がスムーズに伝導せず、特に左側の壁の収縮が遅れて、心室がバラバラに収縮することがあります。これを「心室同期障害」といい、この状態が続くと血液を十分に送り出すことができず、さらに心機能が低下してしまいます。

 

 

そこで、心室全体を同時に収縮させるため、人工的に電気刺激を発生させてペーシングする方法があります。これが「心臓再同期療法(CRT)」です。

 

この治療では、ペースメーカーを植込み、電気刺激を伝えるリードを左心室の左側の壁と右心室の両側、右心房に留置し、両心室ペーシングを行います。これにより、約7〜8割の患者さんは心機能が改善しています。医療費に関しても、2004年から健康保険が適用になっています。

 

 

ただ、この治療法は不整脈に対するペースメーカー療法ではなく、重症の慢性心不全がある人が対象です。

 

また、この治療を受けられる医療機関は、今のところまだ限られています。

 

 

除細動機能を併せもつCRT−Dが増えています

心臓再同期療法は心不全に対する治療としてはすぐれているのですが、心不全では、まれに心室細動や心室頻拍といった命にかかわる不整脈を招き、突然死にうながるリスクがあります。

 

そこで近年増えているのが、除細動の機能も備えた「CRT−D」です。これならCRTと植込み型除細動器(ICD)両方の機能を併せも一つため、心室同期障害だけでなく、突然死につながる不整脈も治療できます。

 

 

心臓再同期療法のQ&A

心臓再同期療法の対象となるのは

心臓再同期療法は不整脈だけの患者さんに用い弓れるものではあリません。

 

中等度〜重度の心不全、心臓のポンプ機能が低下している(左室駆出率35%以下、正常値は55%以上)、電気刺激の伝導に異常があり、心室同期障害がある、薬物療法で症状が改善しないなど、これらの条件にすべくて当てはまる人がこの治療の対象となります。

 

CRTやCRT−Dの治療はどこで受けられますか?

生労働省が定めた「両室ペースメーカー移植術の施設基準」をみたした医療機関で、なおかつこの手術のトレーニングを受けた認定医が行うことが原則です。

 

この条件がそろった医療機関は限られています。

 

医療機関一覧は、「一般社団法人日本不整脈デバイスエ業会ICD認定施設一覧」で調べることがで参ます。ただ、術後の定期検診や心不全の治療などは継続する必要があるので、主治医とよく相談して連携が可能な医療機関を探すことが大切です。

 

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