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脳出血の症状は出血した場所によって異なります

脳出血とは、脳の中の血管が何らかの原因で破れ、脳内に出血した状態をいいます。脳出血は、出血する場所によって、大体次の5つに分類されます。

 

脳出血の症状の種類

 

被殼出血

被殻出血は、脳の中央部にある被殻という場所で出血する脳出血です。被殻出血は、脳出血の中でもいちばん多く見られ、脳出血全体の約40%を占めます。

 

出血が被殻だけであれば、マヒなどの症状も軽度ですが、大きな血腫(血液の固まり)になると、内包(大脳基底核の中にあり、神経のたくさん集まっている場所)や、視床、側頭葉にまで病巣がおよび、重度のマヒや感覚障害、意識障害、失語などがあらわれます。

 

また、優位半球(ふつう右利きの人では左側の脳)に出血が起こった場合は失語、非優位半球(右利きの人では右側の脳)では失行、失認などが見られることがあります。

 

 

視床出血

視床出血は、大脳に囲まれた間脳の上半部を占める視床という場所で出血が起こる脳出血です。

 

視床出血は、脳出血では被殻出血に次いで多く見られ、全体の約30%を占めます。

 

視床は被殻と同じく大脳基底核の内包の近くにあるため、視床出血を起こすと、感覚障害や片マヒなどがあらわれます。

 

また、瞳孔が縮小する縮瞳、眼瞼下垂(まぶたが目におおいかぶさるように垂れ下がる)、対光反射消失(光の強さに応じて瞳孔を調節する機能が失われる)といった症状が、出血が起こった側の目にあらわれます。

 

さらに、視床に出血が起こると、近くの脳室の中にまで血腫がおよび、水頭症を合併するリスクが高くなります。

 

視床出血は死亡率の高い脳出血ですが、命が助かっても、しびれや、痛み、意識障害、片マヒなどの後遺症が残ることが多くなります。

 

特に視床出血では、出血からしばらくして視床痛という半身の激しい痛みが起こることがあります。

 

 

皮質下出血

皮質下出血は、大脳半球の表面をおおう大脳皮質のすぐ下で出血が起こる脳出血です。皮質下出血は、脳出血では3番目に多く見られ、全体の約10%を占めます。

 

皮質下出血の原因は高血圧や動脈硬化のみとは限らず、小さな血管の奇形や肝臓病、血液の病気などによる出血傾向、あるいは外傷などによっても起こります。

 

症状は、出血する部位により異なりますが、けいれん発作を起こすことがあります。けいれん発作を起こすと、その後に晩発性てんかんを起こす可能性があります。晩発性とは脳卒中の発症後時間がたってから症状があらわれることです。

 

また、軽度から中等度の片マヒ、失語、半盲などが起こります。

 

皮質下出血は、ほかの脳出血よりも症状が軽いことが多く、治療後の経過もよいケースが多いようです。

 

 

脳幹出血(橋出血)

脳幹出血は、脳幹といわれる部分で出血する脳出血です。

 

脳幹出血は、脳出血全体の5%程度ですが、もっとも危険な脳出血で致命的になるケースも少なくありません。

 

脳幹は、間脳、中脳、橋、延髄という4つの部分からなり、運動、感覚のほか、体温調節、呼吸、心臓の運動などの生命維持にかかわる神経が集中しています。

 

脳幹出血は、突然の頭痛で発症し脳幹の部位によっては、眼球運動障害(両目が一つの方向にかたよったり、鼻を見つめたりする状態)、めまい、四肢マヒ、しびれ、意識障害などが起こります。

 

一気に大量に出血すると、呼吸が止まり、数分で死に至ることもあります。また、高熱を発するのもこの出血の特徴です。

 

脳幹出血は、部位的に脳外科的手術ができないことが多く、強い後遺症が残る場合がほとんどです。

 

なお、脳幹部でいちばん出血しやすいのは橋といわれる部分なので、その場合は「橋出血」と呼ばれます

 

 

小脳出血

小脳出血は、小脳という部分で出血が起こる脳出血です。小脳出血は、脳出血全体の5%前後がこのタイプの脳出血です。小脳は、脳の後ろ側にぶら下がるような形でついている部分で、運動機能の調整などの働きをしています。

 

症状としては、突然の回転性のめまい、吐き気(嘔吐)、激しい頭痛、歩行障害、意識障害、起立障害などがあらわれます。体の左右どちらかがマヒする片マヒは起こりません。

 

小脳出血を起こすと、はれた小脳が近くの脳幹を圧迫する場合があり、ここが圧迫されると呼吸が止まることもあります。

 

 

脳出血が起こりやすい季節と時間帯

脳出血は、前兆がなく突然発症するのが大きな特徴です。出血すると、周囲の血管も圧迫されて破裂し、連鎖反応が起きて一気に脳内に出血が広がるともいわれています。

 

ほとんどの場合、出血が起こると、数分のうちに頭痛、手足のしびれ、吐き気、嘔吐、意識障害などが起こります。

 

出血は、数分で止まることもありますが、数時間以内に再出血して血腫が増大することが少なくありません。出血がつづく場合は、しだいに症状が悪化していきます。

 

脳出血がいちばん起こりやすい季節は、11〜3月の真冬です。脳出血の最大の原囚は高血圧ですが、冬は寒いために、熱が外部へ逃げるのを阻止しようとして、血管が収縮して血圧が上昇するからです。

 

また、脳出血を起こしやすい時間帯は、多くの場合、血圧の変動が激しい日中の活動期です。特に危険な時間帯は、統計によると朝の7時ごろと夕方の5時ごろといわれます。家から外に出たとき、入浴中、排便時、興奮時などに脳内の血管が切れやすくなりますので、注意が必要です。

 

また、強いストレスによっても、血圧が上がり、脳出血の発症リスクが高まります。

 

脳出血を起こしたと思われる場合は、症状の軽重にかかわらず、すぐに救急車を呼び(症状が軽いからと決して自分で病院へ行かないこと)、医療機関で検査や治療を受けることが大切です。

 

 

重症化すると「脳ヘルニア」を起こすこともあります

脳出血を起こすと、血腫により周囲の組織が圧迫され、脳の機能が低下していきます。また、脳浮腫や頭蓋内圧亢進によって、脳細胞のダメージがさらに深まります。さらに内圧の亢進が進むと、やわらかい脳組織が本来の位置から押し出され(押し出されることをヘルニアといいます)、深部にある生命維持中枢を圧迫します。そのため呼吸障害や意識障害などが起こり、危険な状態になることも少なくありません。

 

 

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