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ラクナ梗塞の原因は細い血管の動脈硬化です

ラクナ梗塞は、脳の太い動脈から枝分かれした「穿通枝(穿通枝動脈)」という細い血管に起こる梗塞です。「ラクナ」とは、ラテン語で「小さな穴」「小さな空洞」を意味します。一般的には直径1.5cm未満の小さなものをいい、それ以上大きなものはラクナ梗塞とはいいません。

 

 

高血圧の管理が十分でなかった時代には、日本ではラクナ梗塞が圧倒的に多かったのですが(脳梗塞の約半分)、現在は少しずつ減りはじめています。ただし、日本人にはラクナ梗塞が多く、日本人は遺伝的に細い血管が動脈硬化になりやすいともいわれています。また、ラクナ梗塞は高齢者に多く、症状はほとんどはゆっくり進行します。

 

 

ラクナ梗塞の詳細

原因

主な原因は穿通枝動脈の動脈硬化です。細い血管の壁は薄いので、高血圧によって高い圧力がかかりつづけると、内壁がしだいに厚くかたくなって(動脈硬化)、内腔が狭くなります。動脈硬化が進むと、血管の内腔はさらに狭くなり、最終的にはふさがってしまいます。細い血管の動脈硬化を「細動脈硬化」ともいいます。

 

ラクナ梗塞は直径が7mm以下の小さな梗塞が多く、症状が出ない「無症候性脳梗塞」の場合であることも少なくありません。

 

起こりやすい場所

大脳の奥にある「大脳基底核」や中脳と延髄を結ぶ「橋」、間脳にある「視床」などの穿通枝に起こりやすいのが特徴です。

 

前ぶれ症状

前ぶれとしてTIA(一過性脳虚血発作)があらわれることがありますが、全体の10〜20%程度です。

 

発症の仕方

睡眠中や朝起きたときなど、安静時に症状があらわれるケースが半数を占めます。多くは段階的に症状があらわれ、少しずつ進行していきますが、突然発症し、急速に悪化するケースもあります。

 

主な症状

詰まった部分の血管が細く、梗塞巣が小さいので、症状は比較的軽く、障害された部分によっては(脳の重要でない部分の場合)、症状がまったくあらわれない人もいます(無症候性脳梗塞)。無症候性脳梗塞は、症状が出ないということから、「隠れ脳梗塞」とも呼ばれます。

 

また、症状があらわれない状態のまま、ラクナ梗塞が脳のいろいろなところに発生して、少しずつ症状が進行していくケースもあります。これを「多発性脳梗塞」といいます。この場合は、認知機能の低下(認知
症)、言語障害、歩行障害、嚥下障害尿失禁など、さまざまな症状があらわれます。

 

ラクナ梗塞は、梗塞が起きた部位により、次のような「ラクナ症候群」といわれる特徴的な症状があらわれます。

  • 片側の顔面や手足の運動障害。
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  • 片側の手足に力が入らず、立ち上がったり、歩き出そうとしたときにふらつき、倒れそうになる。めまいや眼振(眼球が上下左右に動きつづける)が起こることもある。
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  • ろれつが回らなかったり、言葉がスムーズに出なかったりする。また、片側の手ではしゃスプーンを持ったり、字を書いたり、ボタンの脱着など、こまかい作業ができない(巧緻運動障害)。
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  • 片側の顔面や手足にしびれなどの感覚障害が生じる。
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  • 片側の顔面や手足が動かせない、感覚が失われるといった症状があらわれる。
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ラクナ症候群の中心となる症状は、片側の顔面や手足の運動障害やしびれなどの感覚障害で、意識障害や失語・失行・失認などは見られません。

 

危険因子

高血圧が最大の危険因子です。糖尿病や高ヘマトクリット血症などが誘因となることもあります。高ヘマトクリット血症とは、多血症(赤血球増加症)の一つで、血液中の赤血球の割合が異常に増えた状態です。

 

赤血球の割合が増加すると、血液の粘度が増し、血流障害を起こすことから、頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状があらわれます。また、血栓ができやすくなります。若年者のラクナ梗塞では、喫煙が重要な危険因子です。

 

そのほかの特徴

ラクナ梗塞が多発して認知症となった場合は、その後の経過はあまりよくありません。多発していなければ、ほとんどは軽い症状ですみます。 また、ラクナ梗塞では、脳内に小さな出血が起こりやすい点が要注意です。特に再発防止のために抗血小板薬のアスピリンを服用している場合は、出血のリスクが高くなります。

 

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