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不整脈のタイプによって薬の必要性は異なってきます

薬が用いられるのは主に頻脈性不整脈です

不整脈の治療法は、「薬物治療」と「非薬物治療」の2つに大きく分けられます。非薬物治療とは、カテーテル治療やペースメーカーなどの機器を用いる治療などです。

 

不整脈に対しては、この2つのどちらかの治療法を選択するのですが、まずは、心臓病など何らかの病気が不整脈の原因であることがわかっており、治療が可能なときはその治療が優先されます。

 

原因不明のものや原因疾患の治療が困難なものは、不整脈そのものに対する治療を行います。このとき、薬よりも非薬物治療が有効な場合は、そちらが第一選択となります。

 

では、薬物治療が行われるのはどのような場合でしょう。

 

不整脈は、「期外収縮」「頻脈性不整脈」「徐脈性不整脈」の3つに大きく分類され、そのタイプによって薬の必要性も目的も違ってきます。このなかで、薬物治療が行われるのは主に頻脈性不整脈です。

 

 

命にかかわる、生活に支障がある場合は必要になります

頻脈性不整脈の治療は薬物治療が中心になりますが、すべての人に薬が必要なわけではありません。まず対象となるのは、放置すると発作によって命にかかわるものや、脳梗塞などの重大な合併症を招く危険性が高い不整脈です。

 

これらは治療が不可欠です。また、命にかかわらないものでも症状によって本人が苦痛を感じ、生活に支障をきたしているときは薬物治療の対象になります。

 

なお、期外収縮でも症状により、苦痛が大きい場合は薬を用います。

 

徐脈性不整脈ではペースメーカーが第一選択になることが多く、薬は一時的に使用するのが一般的です。

 

 

副作用を防ぐために気を付けること

抗不整脈薬では、副作用によって新たに別の不整脈が起こったり(催不整脈作用)、心臓の拍動を抑えすぎて心機能が低下したりすることがあります。抗不整脈薬をのんで、それまでにない動悸や息切れが現れた、手足が冷えたり全身がだるいといったときは、副作用も疑われます。

 

 

最も注意が必要なのは「QT間隔延長」です。カリウムチャネル遮断薬で起こりやすく、自覚症状がないため、見つけるには心電図検査が必要です。また、ナトリウムチャネル遮断薬やβ遮断薬では、心機能の低下に注意が必要です。慢性心不全の悪化も危険です。

 

 

そのほか、薬によっては、嘔吐や下痢、頭痛やめまい、ふるえ、口の渇き、排尿障害などが現れることもあります。

 

一般に、高齢者や腎臓、肝臓の機能が低下している人は、こうした副作用が起こりやすいので注意してください。こうした副作用が出たら、医師は、症状の程度に応じて、薬の減量や中止、あるいは別の薬に変更するなどの対策を講じます。

 

 

定期的な検査でチェックし、サインを見逃さない

副作用には自覚症状があるものとないものがあります。
薬を服用して、前述のような症状やこれまでと違う症状が現れたら、副作用のサインかもしれません。気がついたら放置せず、すぐに医師に相談しましょう。今のんでいる薬を全部のみ終わるまで待ったり、次の診察予定日まで待ったりする必要はありません。

 

 

また、自覚症状がない副作用をうつけるためには、定期的に心電図検査査や血液検査などを受けて、チェックしていくことが欠かせません。

 

のんだ薬の排泄経路 薬が体外に排泄される経路は主に腎臓経由と肝臓経由に分けられます。そのため、腎臓や肝臓の機能障害があると排泄がうまくいかず、薬の成分が体にたまって血中濃度が高まり、副作用も起こりやすくなります。

 

 

これを防ぐため、薬を処方する前や服用中には腎機能(血清クレアチニンなど)や肝機能(ビリルビンなど)を調べる検査を行うことになっています。

 

薬には分類名の主作用以外の作用もある

抗不整脈薬には、薬の分類名で示された主作用のほかにも、さまざまな作用があります。たとえばナトリウムチャネル遮断薬のなかにも、カリウムチャネル遮断作用を併せもつもの、β遮断作用も併せもつものなどがあり、そうした特性に伴って副作用も違ってきます。

 

そこで提唱されているのが「シシリアンーガンビット」という抗不整脈薬の新しい分類です。この分類では、薬ごとにイオンチャネルや各受容体への作用などが一覧表になって、特性が総合的に把握できるようになっています。個々の患者さんにとって最も有効な薬を選びやすくなると考えられています。

 

 

不整脈の薬物治療のQ&A

薬をのんでも不整脈は治らない?

薬物治療で用いる薬は、いずれも不整脈そのものを根治できるものではありません。不整脈を起こりにくくしたり、不整脈による症状を抑えたりするのが目的です。
したがって、不整脈の原因が解消しない以上、薬をやめれば再び不整脈が起こることがあります。しかし、原因となっている病気を治療し、状態を改善できれば、根治に近づけることも不可能ではありません。

 

継続してのむ薬は一度始めたらやめられない?

薬をずっとのみ続けることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、不整脈の発作を繰り返す人や発作によって命にかかわる人、重大な合併症を招く危険が高い人は、服用を続けることが大切です。
ただし、命にかかわるリスクが少なく、発作の頻度も低い場合は、主治医と相談して一時的に薬をやめたり、服用方法を調節したりすることができます。いったん服用を中止して様子をみたうえで、発作のときだけ頓服する方法に切り替えられることもあります。

 

ただし、自分で勝手に服用法を変えるのは危険なのでやめでください。

 

不整脈の薬の副作用で起こる不整脈って?

催不整脈作用」といって、薬の副作用で不整脈が起こることがあります。特定の薬ではなく、多少の差はあるものの、ほとんどの不整脈の薬で起こりえます。

 

頻脈を抑える薬で徐脈になったり徐脈の薬で頻脈になったりすることもあります。また、別のタイプの不整脈を誘発するケースもあります。

 

なかでも要注意なのが、「QT間隔延長」といわれる状態です。この影響で心室頻拍を起こすと、命にかかわります。QT間隔延長には自覚症状がなく、発見が難しいのですがいつもと違う「めまい」や「胸苦しさ」が現れたら、すぐに受診しましょう。

 

弱い薬なら副作用も少ない?

確かにナトリウムチャネル遮断薬など、頻脈を抑える作用が強力な薬のほうが、副作用が現れやすい傾向はあります。ただし、併せもつ作用によって起こる副作用も異なり、何かどれだけ問題になるかは、患者さん側の要因によっても違います。

 

どんな薬にも副作用があります。だからこそ、得られる効果と副作用のリスクを考え合わせて、薬の使用を検討することが大切になるのです。

 

発作が起きたときの頓服薬は発作がおさまらなかったらまたのんでよい?

まず、頓服薬としてのむのは、医師から「発作が起こったら、この薬をのんでください」といわれたものに限リます。のんでも発作がおさまらなかった場合、その発作に効くとわかっている薬であれば、追加が認められることもあります。

 

ただし、何度も続くときは薬が効きにくくなっていることが考えられます。追加することが増えたときは、必ず主治医に報告しましよう。

 

一般名処方になったが、ジェネリック薬でも同じ?

処方箋が一般名の場合は、ジェネリック薬を選ぶこともでき、医療費の負担が軽減されます。ただ、ジェネリック薬は主成分が同じでも、ほかの添加物は製薬会社によって異なり、全く同じ薬ではありません。人によっては効果や副作用の現れ方が異なる可能性もあります。

 

抜歯のときには抗凝固薬は中止する?

血栓予防のために抗凝固薬を服用している人は、出血に注意が必要なので、抜歯をするときに薬の服用を中止するかどうか気になる人も多いでしょう。

 

以前は、抜歯の前にはいったん抗凝固薬の服用を中止していました。しかし、その間に脳梗塞を起こす人がいたことから、現在ではワルファリンをはじめ、ダビガトランなどの新薬でも服用を中止しないことになっています。

 

内視鏡治療や手術を受ける場合も、そのつど事前に主治医と手術などを行う医師に相談し、勝手に服用をやめないことが肝心です。

 

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